大富豪のマイケル・デルと妻のスーザンは米国時間12月2日、米国の約2500万人の子ども向けに新設される資産形成制度「トランプ・アカウント」に対し、62億5000万ドル(約9700億円)を拠出すると発表した。この制度は、2025年初めにトランプ政権により発表された、米国の新生児に対し資産形成用の資金を付与するプログラムである。
非営利団体のインベスト・アメリカによれば、デル夫妻は2025年1月1日より前に生まれた10歳以下の子ども1人あたり250ドルを、トランプ・アカウントに拠出する予定だという。
ドナルド・トランプ大統領は2025年初め、「1つの大きく美しい法案」の一環として「トランプ貯蓄口座」を発表した。これは、マイケル・デル、ゴールドマン・サックスのデービッド・ソロモンCEO、ウーバーのダラ・コスロシャヒCEOと共に発表されたもので、米財務省が2025年1月1日から2029年1月1日の間に米国で生まれた子どもに対し投資用口座を付与し、そこに1000ドル(約15万5800円)の初期資金を拠出する計画である。
インベスト・アメリカによれば、デル夫妻が拠出する250ドルは、この1000ドルに上乗せされる形になる。また、支給対象は世帯収入の中央値が15万ドル(約2300万円)未満の地域に住む子どもに限られるという。
USAトゥデイは、マイケル・デルが1日にホワイトハウスでトランプと会見し、この寄付を発表すると報じた。それに併せて、財務省と内国歳入庁は、この制度に関する正式なガイダンスを公表する予定とされる。デルはCNBCに対し、匿名の慈善家数名と話をしており、彼らも追加の資金拠出を約束すると見込んでいると述べた。
この投資口座は、以前は「Money Accounts for Growth and Advancement」もしくは「MAGAアカウント」として知られており、テキサス州選出の上院議員テッド・クルーズが最初に提案したものである。新生児は自動的にこのプログラムに登録され、親や口座の管理者は、年間最大5000ドル(約77万8900円)の追加拠出を行うことができる。
これらの拠出金は、広範な株式市場に連動するインデックスファンドに投資される。受益者は18歳で残高の50%まで引き出すことができ、25歳になると、小規模事業ローンや高等教育などの適格目的のために残高全額を引き出すことが可能になる。また、30歳になると、あらゆる目的のために残高を引き出すことができるようになる。この口座は、税優遇措置のある「529 Plan」や「Roth IRA」とは異なり、課税後の拠出を前提とし、引き出し時には長期キャピタルゲイン税または通常の連邦所得税が課税される。



