サム・アルトマン率いるOpenAIの内部メモによれば、グーグルが新たに投入したGemini 3の成功が同社への圧力を高める中、アルトマンは社員に対し、ChatGPTへの広告の導入など、他の計画を後回しにし、ChatGPTの品質向上に集中するよう促したと、複数の報道が伝えている。
アルトマンがChatGPTの品質改善を指示、広告導入やAIショッピングツールなどは後回しへ
ザ・インフォメーションとウォール・ストリート・ジャーナルが米国時間12月2日早朝に報じた内部メモによると、アルトマンは社員に対し、ChatGPTを改善するため「コードレッド」を宣言すると伝えたという。
パーソナライズ機能や応答速度など、「日々の利用体験」を高めることに注力
ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によれば、アルトマンは社員に対し、パーソナライズ機能の改善、より速くより信頼性の高い応答、そして「より幅広い質問に答える能力」を含む、ChatGPTの「日々の利用体験」の改善に取り組むよう指示した。
またアルトマンは、ChatGPTへの広告の導入、AIによるショッピングツール、ChatGPTのパーソナルアシスタントであるChatGPT Pulseなど、他の計画中の施策を遅らせると社員に伝えたとされる。
ChatGPT部門トップは成長と直感的な体験を重視と投稿
OpenAIはこのメモについて公にはコメントしていないが、ChatGPT部門トップのニック・ターリーはXへの投稿で、「我々の現在の重点は、ChatGPTをさらに有能にし、成長を続け、世界中で利用範囲を広げること、そして、より直感的かつパーソナルな存在に感じられるようにすることだ」と投稿した。
ターリーはXへの投稿の中で、ChatGPTを「世界第1位のAIアシスタント」と宣言している。
また同氏は、OpenAIのチャットボットが「検索行動のおよそ10%を占めている」と主張したが、それがウェブ全体の検索の10%を意味するのか、別の指標なのかは不明である。



