SMALL GIANTS

2025.12.03 17:15

「日本の卵」企業が世界を制す!スモール・ジャイアンツ優勝レポート【#1】

スモール・ジャイアンツアワード ファイナリスト企業の7社と、「LOVED COMPANY賞」受賞企業の2社。左から、側島製罐・石川貴也、河野製作所・河野淳一、くしまアオイファーム・奈良迫洋介、FSX・藤波克之、ナベル・南部隆彦、日本原料・齋藤安弘、A-GIRL'S・山下智広、石川樹脂工業・石川勤、澤村(SAWAMURA)・澤村幸一郎。

スモール・ジャイアンツアワード ファイナリスト企業の7社と、「LOVED COMPANY賞」受賞企業の2社。左から、側島製罐・石川貴也、河野製作所・河野淳一、くしまアオイファーム・奈良迫洋介、FSX・藤波克之、ナベル・南部隆彦、日本原料・齋藤安弘、A-GIRL'S・山下智広、石川樹脂工業・石川勤、澤村(SAWAMURA)・澤村幸一郎。

Forbes JAPANは11月26日、第9回目となる「スモール・ジャイアンツアワード」を都内で開催した。166社の候補企業の中から選ばれたファイナリスト7社によるプレゼンテーションと審査が行われ、ナベル(京都市)がグランプリに輝いた。


スモール・ジャイアンツアワードは、創業10年以上、売上高200億円未満、従業員数500人以下の企業を対象に、規模は小さくても高い付加価値を誇る中小企業を発掘・表彰するプロジェクト。全国の中小企業にネットワークを持つアドバイザーボードから候補企業の推薦を募り、事前の審査会を経てファイナリストを選出し、アワード当日にグランプリと部門賞を決定する。

今回の審査員は、内田研一(SMALL GIANTS AWARD Executive Producer)、入山章栄(早稲田大学ビジネススクール教授)、山井太(スノーピーク代表取締役会長執行役員 CEO 兼 CCO)、赤羽優子(ティ・ディ・シー代表取締役社長)、藤吉雅春(Forbes JAPAN編集長)の5人が務めた。各審査員の立場から、「グローバル市場の開拓」「地域への貢献」「稼ぎ続ける力」の3つを審査基準にファイナリストたちの事業を評価した。

第9回の受賞企業は下記の通り。

ナベル(京都市):グランプリ

FSX(東京都国立市):カルチャーイノベーター賞

くしまアオイファーム(宮崎県串間市):アグリイノベーター賞

河野製作所(千葉県市川市):カッティングエッジ賞

石川樹脂工業(石川県加賀市):ローカルヒーロー賞

A-GIRL'S(和歌山市):グローカルブランド賞

日本原料(川崎市):アースレボリューション賞

また今回は、中小企業だからこそできる人的資本経営を実践する企業を表彰する別枠の部門賞「LOVED COMPANY賞」が創設され、下記の2社が選ばれた。LOVED COMPANY賞の審査員は、阿瀬太(近畿経済産業局中小企業政策調査課長)、木村祥一郎(木村石鹸工業代表取締役社長)、山中哲男(トイトマ代表取締役社長)、藤吉雅春の4人が務めた。

澤村(SAWAMURA)(滋賀県高島市)

側島製罐(愛知県海部郡)

左から:木村祥一郎(審査員)/山中哲男(審査員)/側島製罐  石川 貴也(受賞者)/澤村  澤村 幸一郎(受賞者)/阿瀬 太(審査員)/藤吉雅春(審査員)
「LOVED COMPANY賞」の受賞者と審査員。左から、木村石鹸工業・木村祥一郎、トイトマ・山中哲男、側島製罐・石川貴也(受賞者)、澤村(SAWAMURA)・澤村幸一郎(受賞者)、近畿経済産業局・阿瀬太、Forbes JAPAN・藤吉雅春

第9回スモール・ジャイアンツアワードのレポートをお届けする。

驚きの技術力と軽妙トークで会場をわかせたナベル

「我々の社会的使命は卵の安全・安心を社会に、世界に届けることだ。日本が培った技術をより進化させて世界に広め、20年後には売上高1000億円を目指す」

グランプリに輝いたのは、7社によるプレゼンで最後に登場し、大胆な目標をぶち上げた「卵の総合ソリューション企業」ナベルだった。

ナベルは、選別やパッキングなど鶏卵の生産に関わるあらゆる装置の開発・製造を手がけ、国内シェアはトップ、世界シェアは第2位を誇る。例えば卵の選別装置は、叩いたときに出る音でひび割れたものを検出したり、中身に血が混ざったものをセンサーで見分けたり、様々な工程が全て自動化されている。高品質な卵が、1パック200〜300円という安定した価格で流通しているのは、ナベルの技術力を結集した装置によって安定的な供給ができるからと言っても過言ではない。

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文=中居広起 写真=加古伸弥

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