世界に名だたる大都市に対して、日本の都市の魅力はどの程度なのだろうか。イプソスが調査し、観光、不動産、経済開発のコンサルタント会社であるレゾナンス社が発表した「世界のベスト都市レポート 2026」において、東京が世界第4位という高い評価を獲得した。これは、日本の都市力が世界で存在感を示していることを意味する。
レポートによると、トップ3は長年にわたり世界の中心として君臨し続ける1位のロンドン、アメリカの脈動を体現する2位のニューヨーク、そして経済的・文化的な影響力を誇る3位のパリが名を連ねている。

そのすぐ後に続く4位の東京は、これらの世界的メガシティと肩を並べる存在として評価された。特に東京の評価が際立つのは、サブカテゴリのランキングである。東京はレストランおよびミュージアム部門で1位を獲得しており、日本独特の「食」や「文化」の深さが世界的にも認められたことになる。

レポートでは東京を、「圧倒的な巨大さを持ちながらも、都市づくりは緻密で実験的、そして常に“人間の尺度”に最適化されている」と総括している。これは、東京が単に経済規模や人口の多さで評価されているのではなく、「住みやすさ指数」で4位、「魅力度指数」で4位、「繫栄度指数」で3位と、バランスの取れた総合力が評価された結果である。羽田空港アクセス線の整備や、首都高速道路の一部を緑の遊歩道「Tokyo Sky Corridor」として再生する取り組みなど、利便性と人間中心の都市空間を両立させる試みが、国際的な高評価につながっている。
一方、関西の拠点である大阪は23位にランクインした。大阪は特に「家族向け観光」の分野で注目を集めており、家族向けアトラクションランキングで19位を獲得している。

2025年春に開幕した「大阪・関西万博」によるインフラ整備や、大阪駅北側の「グランドグリーン大阪」などの再開発が進行中であり、街の魅力は拡大傾向にある。ストリートフードをはじめとする食文化の魅力も依然として強く、大阪は家族連れや観光客にとって、今後さらに魅力的な都市へと変貌を遂げることが期待される。
東京が世界の名だたる都市の中で4位という高順位を維持した事実は、日本の都市開発や文化、ホスピタリティの質が、世界最高水準にあることを示している。それは単なる経済力だけでなく、都市が持つ豊かさ、多様性、そして「体験価値」の高さが国際的に認められた結果だろう。東京が世界のベスト都市の1つとして輝き続けることは、日本全体の国際競争力と自信につながるはずだ。
出典:イプソス「世界のベスト都市ランキング」



