宇宙

2025.12.03 13:00

「クリスマスの星」とスーパームーンが輝き、ふたご座流星群が降り注ぐ 12月の夜空

Shutterstock.com

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2025年12月の夜空には、星空ファンへの贈りものがぎゅっと詰まっている。クリスマスの星さながらに明るく輝く木星に、今年最後のスーパームーン、そして年間で最大の流星群である「ふたご座流星群」まで──。夜が長く、暗くなるほどに、頭上では冬の星座たちが生き生きとしたきらめきを取り戻す。12月の星空の見どころをまとめた。

冬の星々の円環

日時:12月中、日の入り4~5時間後
方角:東~南東の夜空

外に出て東を向くと、おうし座で最も明るい「牡牛の目」ことアルデバランがオレンジ色に光っているのが見える。これが冬の星々がつくる円環の起点となる。

2025年12月上旬(東京:午後9時頃)の東の空(Stellarium)
2025年12月上旬(東京:午後9時頃)の東の空(Stellarium)

アルデバランから右下へと視点を動かすと、オリオン座のリゲルがある。次は左下へ移動して、おおいぬ座のシリウスを見つけよう。そこからやや左上へ、こいぬ座のプロキオン、ふたご座のポルックスと辿り、ぐるりと上空へ目を向けてぎょしゃ座のカペラを発見したら、最後は再びアルデバランに戻る。冬の1等星たちが織りなす壮大な円環の完成だ。

「クリスマスの星」として輝く木星

日時:12月中、日の入り約4時間後
方角:東の空

木星とふたご座のポルックス、カストル(Shutterstock.com)
木星とふたご座のポルックス、カストル(Shutterstock.com)

木星は現在ふたご座にあり、冬の星々がつくり出す完璧な円環に割り込む格好で、双子の弟星ポルックスとこいぬ座のプロキオンとの間に鮮やかに輝いている。日没後、夜の帳がすっかり下りた頃に東から昇り、明るさは約マイナス2.6等級。イエス・キリストの生誕を告げたとされる「ベツレヘムの星」はこれだ、と言われたら納得できてしまうほどの輝きだ。

これは、木星が来年1月10日に地球から見て太陽と正反対の位置関係にくる「衝(しょう)」を迎えるためだ。このとき木星は約13カ月ぶりに最も明るく輝いて見える。

スーパー・コールドムーン

日時:12月5日(金)、夕暮れ時
方角:東

12月5日も、見るべきは東の空だ。沈む太陽と入れ替わるように、北米先住民の農事暦で「コールドムーン(寒月)」と呼ばれる満月が昇ってくる。この満月は、今年最後のスーパームーンだ。11月のスーパー・ビーバームーンほどではないものの、月が地球との平均距離より近い位置にあるため、通常より大きく、明るく見える。

イタリア中部カラーショにある城砦ロッカ・カラーショの背後に昇る「コールドムーン」の満月。2023年12月27日撮影(Lorenzo Di Cola/NurPhoto via Getty Images)
イタリア中部カラーショにある城砦ロッカ・カラーショの背後に昇る「コールドムーン」の満月。2023年12月27日撮影(Lorenzo Di Cola/NurPhoto via Getty Images)

月がおうし座で満月となる瞬間は日本時間5日午後10時19分だが、最大の見ごろは何といっても月の出である。日没前から東の地平線の見える場所で待機しておきたい。

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翻訳・編集=荻原藤緒

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