来年の投資の見通しについて共通テーマを特定するために、100ページにわたる調査レポートを何十も読み解くのは大変な作業だ。幸いなことに調査レポートを要約し、さまざまな視点を整理するための優れたツールが利用可能だ。以下は、2026年の投資見通しの大半に共通する4つの主要テーマである。18のレポートを検討した結果、2026年の見通しにおいて、次の4つのテーマが繰り返し浮上した。
1. AIブームはバブルではない
複数の金融機関が、AIで起きていることをインフラ革命と表現している。別のテクノロジーバブルへの懸念は理解できるが、現在のAIブームはドットコム時代とは根本的に異なる。バークレイズとモルガン・スタンレーの分析によれば、今日の主要企業は高収益で潤沢なキャッシュを生み出す企業であり、ドットコムバブル時代の投機的で利益を上げていないことが多かった企業とは異なる。
ハイパースケーラーの設備投資は継続すると予想され、増大する需要に対応するため、エネルギー調達への投資が増加するだろう。高度なAIモデルのトレーニングと実行に必要なデータセンターは、非常に電力を消費する。ゴールドマン・サックスの予測によると、データセンターからの電力需要は2023年のレベルと比較して、2030年までに175%以上増加し、エネルギーおよび公共インフラにおける大規模で長期的な投資テーマを生み出すとされている。
フィデリティの半導体アナリスト、ジョナサン・ツェン氏は、巨額のインフラ投資のROIに懸念を示す懐疑派に対して、こう述べている。
「これまでのところAIモデルは改善を続け、製品化も急速に進んでいる。それがうまくいけば、他のすべてもうまくいく。古いデータと古いモデルに基づいて、AIが価値をもたらさないと断定的に主張することは、ライト・フライヤー(ライト兄弟が人類史上初めて動力飛行に成功した飛行機)を見て、大規模の航空旅行は決して実現しないと判断するようなものだ」
2. 米国以外に目を向ける時
投資コミュニティの集合知から浮かび上がるもう一つの人気テーマは、米国以外の株式市場の見通しの改善だ。米国市場が長年にわたって優位を保ってきた後、複数の金融機関が地理的な多様化を支持する構造的な変化を強調している。米国は引き続き世界経済成長の中核的な原動力であるものの、米国と世界の他の地域との間のパフォーマンス格差は縮小しており、投資家にとって魅力的な機会を生み出している。
欧州は、今年も好調な年になると予想されている。欧州最大の経済国であるドイツはインフラと防衛に多額の投資を計画し、大規模な財政拡大に乗り出している。ほとんどの金融機関によれば、3年間の停滞した収益の後、欧州全体の企業利益成長は2026年に加速する可能性が高い。
コンセンサスによれば、日本も説得力のあるケースを示している。新首相の成長重視の政策と、株主価値向上を目指す継続的なコーポレートガバナンス改革が、日本の株式市場にとってポジティブな背景を作り出している。同時に新興市場については、複数の投資見通しがファンダメンタルズの改善、魅力的な評価、そして政府の政策支援を指摘しており、ますます魅力的に見える。
JPモルガンは見通しの中で、こう簡潔にまとめている。
「海外での構造的変化が実を結び、米国と世界のその他の地域との収益成長率の格差は縮小している。プラスの名目成長、AI、財政刺激策、株主重視の政策により、国際株式の力強いリターンは、さらに伸びる余地がある」



