暗号資産

2025.12.02 09:00

暗号資産市場が突然の崩落、ビットコイン相場への深刻な警告も

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ビットコイン価格は、先日つけた9万3000ドル(約1400万円。1ドル=155円換算)の高値から8万ドル(約1200万円)に向けて急激に下落している。

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大荒れの嵐に襲われたビットコインは数分のうちに5000ドル(約78万円)下落した。静かだった市場は不意をつかれ、暗号資産全体の時価総額は10月初旬に記録した4兆3000億ドル(約666.5兆円)のピークから、約3兆ドル(約465兆円)へ後退した。

そんな中、トレーダーたちはさらなるビットコイン価格の下落に備えており、全面的な暴落へと発展する可能性も見据えている。

今回のビットコイン急落は、感謝祭の週末における流動性の低下、日本銀行の植田和男総裁が12月の利上げを示唆したこと、中国が緩和方向に動いていた暗号資産規制を再び強化したこと、ステーブルコイン大手テザーが金利低下局面と広範な市場低迷を生き残れるかどうかに関する懸念、そして、上場する米企業の中で最大のビットコイン保有者であるストラテジーが、ビットコインを一部売却するのではないかという観測などが要因とされている。

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「静かな感謝祭明けの月曜日、トレーダーたちは、まるでデジャブのようなプレッシャーにさらされている。日本円の急伸が再び市場を混乱させているからだ」と、投資アナリストでザ・コイン・ビューロー共同創業者のニック・パックリンはEメールで述べた。

「2年物日本国債の利回りは2008年以来の高水準をつけ、日本銀行による利上げの可能性が現在76%となっていることから、日本円キャリートレードは再び巻き戻され始めている」。

パックリンは、2024年8月にビットコイン価格が6万6000ドル(約1000万円)超からおよそ5万4000ドル(約837万円)へ、数日で18%下落した局面にも言及した。この下落も日本発の不安が引き金となったものだった。これは、今回の下落によってもビットコイン価格が7万ドル(約1100万円)に向かう可能性があることを示唆している。

「歴史が繰り返されつつある今、さらなるボラティリティに備えるのが賢明だ」とパックリンは述べた。

他の専門家たちも、ビットコイン価格が大規模な暴落に向かう可能性を警告している。

「市場が下落を続ければ、ビットコインは6万ドルから6万5000ドル(約930万~約1000万円)のレンジを試す可能性がある」と、暗号資産取引所バルルのファルザム・エフサニCEOはEメールで述べた。

しかし、暗号資産トレーダーたちは、米連邦準備制度理事会(FRB)による量的引き締めの終了や、12月の利下げ観測がビットコイン価格が回復する原動力になる可能性を指摘している。

「日本以外を見てみると、マクロ環境はリスク資産にとって依然として追い風となっている。今日FRBは量的引き締めを終了し、12月10日の利下げ確率は現在87%だ」とパックリンは付け加えた。「視野を広げれば、この暗いムードの中でもまだ楽観視できる理由はある」。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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