11月にドナルド・トランプ大統領が発表した合意の中で、イーライリリーとノボノルディスクは、メディケア(高齢者向け医療保険)とメディケイド(低所得者向け医療保険)の患者向けに肥満症治療薬の価格を引き下げ、新たに設立されたウェブサイト「TrumpRx」で提供することに合意した。
TrumpRxを利用する患者は、2026年からは保険なしで月額350ドル(約5万4000円)で薬を購入できる。また、今後2年間で月額250ドル(約3万9000円)までの値下げが計画されている。これに伴い、最も低用量の経口薬は、市場に投入され次第、月額149ドル(約2万3000円)となる予定である。加えて、重度の肥満患者は、2026年半ばからメディケアを通じて50ドル(約7800円)の自己負担で同薬を購入できるようになる。
トランプは処方薬の価格引き下げを推し進めている。5月に発布された大統領令では、製薬企業に対し、米国で販売される薬剤について他国で設定されている最安価格に合わせることを求めた。トランプは、この措置により最大80%のコスト削減が可能になると主張している。2024年の調査では、米国で販売される薬剤の価格が他国よりおよそ2.8倍高いことが判明していた。
薬価引き下げの取り組みが進む中、ノボノルディスクとイーライリリーは、近年急成長する肥満症治療薬市場の開拓を進めてきた。両社は現在、経口薬の開発競争を展開しており、専門家は経口薬の方が製造コストが安く、より多くの消費者にリーチを広げられると述べている。
イーライリリー株は年初来で38%上昇しており、11月には時価総額1兆ドル(約155兆円)に到達した最初の製薬企業となった。また、非テクノロジー企業としては、ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイに次いで2番目となる。


