リーダーシップ

2025.12.03 12:00

真のリーダーシップの実現には、リーダーがいない時間が不可欠

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現代のリーダーの存在感を再定義する

リーダーの存在感は、オンラインでどれだけ頻繁に姿を見せるかで測られるものではない。そこにいる間に、どれだけの付加価値を提供できるかで測られるのだ。休息を取り、集中し、思慮深い状態で現れるリーダーは、疲弊したリーダーが12時間かけても生み出せないような影響力を、ほんの1時間で発揮するだろう。

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「連絡がつく状態」を見直す作業は、人々がリーダーに何を期待するかを再定義することから始まる。チームに必要なのは、絶え間ない対応ではない。目的の明確さ、方向性への確信、そして、自分たちの能力に対する信頼だ。これらの基盤が強固であれば、リーダーに連絡がつくかどうかは選択肢の1つとなり、頼るべき杖ではなくなる。

リーダーは、こうした姿勢の変化について、直接伝えることができる。「すぐには返信できないかもしれないが、返信する時は集中して対応する」というシンプルな一言によって、相手の期待値がリセットされ、全員の時間を尊重する姿勢が伝わる。

リーダーシップには、つながりだけでなく、距離も必要

結局のところ、リーダーシップには、つながりだけでなく、距離も必要なのだ。離れている時間が存在しないと、省察は消え、権威に混乱が生じてしまう。常に対応可能であることは奉仕に見えるかもしれないが、真の奉仕とは、賢明な意思決定を可能にする明瞭さを守ることにある。

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境界線を引くことは、リーダーの対応力を弱めるものではない。むしろ、その価値を高める効果がある。

forbes.com 原文

翻訳=高橋朋子/ガリレオ

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