Toppling Goliath「TG Pils Bavarian Style Pilsner」、アルコール度数約5.5%
TG Pilsは、Toppling Goliathが手がけるバヴァリアンスタイルのジャーマンピルスナーであり、シンプルさと旧世界の伝統に忠実であることを掲げている。アルコール度数はおおよそ5.5〜5.6%で、IBUは約30である。
醸造所によれば、このビールはホップにHallertau Mittelfrüh(ハラタウ・ミッテルフリュー)を主に用いており、フローラルでフルーティ、そしてわずかにハーブを思わせる、クラシックなドイツホップのキャラクターを与えている。モルト配合とラガー製法はベーシックで、アジュバント(副原料)やスペシャルティグレインではなく、クリーンな発酵とノーブルホップの風味を強調している。
ビールは輝くようなストローゴールドで、密度の高い「卵白」のような泡を頂く。香りは、クラッカーのようにパリッとしたピルスモルトに、フローラルでほのかにフルーティなHallertauホップのニュアンスが重なり、野花、ハーブティー、控えめなレモン、そしてわずかなスパイス感が感じられる。
口当たりはミディアムライトボディで、炭酸は高く、非常にクリーンな飲み口だ。カリッとしたクラッカーやパン生地のようなモルト、明るいフローラルかつハーブ系のホップフレーバーが広がり、シャープだがバランスの取れた苦味が、きわめてドイツ的な印象を与える。
フィニッシュは長く、ドライで、爽快かつしっかり苦い。フローラルでハーブを思わせるホップの余韻が続き、ごくクリーンなモルトの香りが残る。
Burleigh Brewing「Japan Black – Black Lager」、アルコール度数4.4〜5%
Burleigh Brewingは、オーストラリア・クイーンズランド州ゴールドコーストにあるブルワリーで、ラガーのラインアップに定評がある。Japan Blackは、日本のダークラガーに着想を得たブラックラガーで、「軽やかに飲めるダークビール」としてつくられ、日常的に飲めるリフレッシングな黒ビールとしてマーケティングされている。アルコール度数は通常4.4〜5%ほどで、World Beer Championships(ワールド・ビア・チャンピオンシップ)で金賞を受賞している。
このビールは、軽めのボディと低比重のブラックラガーとして設計されており、焙煎モルトのフレーバーと高い飲みやすさを両立させている。日本のダークラガーにインスパイアされた、いわば「セッション・シュヴァルツビア」(低アルコールで飲みやすい黒ビール)とも言えるスタイルだ。
色合いはクルミから琥珀がかったブラックで、ルビー色のハイライトが見える。香りはライ麦パン、中煎りコーヒー、ココア、モラセス(糖蜜)に、トーストしたナッツや控えめなスモーキーさが加わるが、全体としては明るくクリーンな印象を保っている。
口に含むとミディアムボディだが非常になめらかで、炭酸もきめ細かい。ココア、コーヒー、ダークライ麦パン、ライトなモラセスのフレーバーが、クリスプなラガーの土台の上に重なる。わずかに旨味や照り焼きを思わせるニュアンスや、焙煎ナッツの風味があるが、スタウトのような重さや厚みはない。
フィニッシュは中程度の長さで、ややドライかつ非常に飲みやすい。ダークチョコレート、しっかり焼いたイングリッシュマフィン、モレソース風スパイスをまとったナッツ、控えめなスモーキーさが余韻として残る。
これらのビールを総合して伝えているメッセージはシンプルだ。「ラガー」はもはや「味気ない」の同義語ではないということだ。酵素は静かにグルテンを取り除きつつもクラシックな風味を保ち、慎重に選ばれたスモークモルトはドッペルボックに焚き火のような香りをまとわせる。コーヒーのインフュージョンはペールラガーをモカ風のハイブリッドへと変え、ダークラガーは、スタウトのような重さなしにロースト感のある奥行きをもたらし得ることを証明している。ここで紹介した最もライトなビールでさえも、キャラクターを犠牲にすることなくカロリーを削減することに成功している。
ビールを飲む人にとって、これはラガーを再評価するきっかけになる。ラガーを「とりあえず選ぶ無難なビール」としてではなく、ビーチで気楽に飲める軽さから、じっくり味わうリッチな一杯までを受け止めるキャンバスとして捉え直すべきだということだ。醸造家にとっては、イノベーションとは伝統を捨てることではないという、改めての気づきである。むしろ、キレのある、よくつくられたラガービールが持つ可能性の限界を探ることこそが、イノベーションなのだ。


