習のチームは、地方政府レベルでも、くすぶり続ける「ミニ危機」を抱えている。中国の地方政府は、数兆ドル規模の債務にあえいでいる。大半は簿外の債務であり、外部からは計算するのも分析するのも歯がゆいほど難しい。
中国の若年層の失業率は危険なほど高い。人口は加速度的に高齢化していて、これは日本の例が示すように本質的にデフレ要因だ。
そこに、中国共産党が毎年のGDP成長率の設定に固執しているという問題が加わる。これは、経済に関わるあらゆるインセンティブを歪めてしまう自滅的な慣行だ。党中央での昇進をめざす地方幹部は、年々トレンドを上回るようにGDPをかさ上げすることで中央の目を引こうとする。
これこそ、中国に巨大インフラ事業が大量に生まれる構造的な理由だ。それらの事業の多くは生産性が低く、重複している。全国各地で着工され、開発業者が完成させるのに苦労している巨大な集合住宅群はその一例だ。当然の結果だが、多くの不動産開発大手でさえ返済できないほど債務が積み上がっている。
2026年が近づくなか、エコノミストらが中国の方針の変化を見て取れるような状況になっていればどれほど良かっただろう。ニュースの見出しを生むようなテック主導の経済だけでなく、経済全体をより生産的で強靭な成長モデルに転換するという方向への変化のことだ。
驚くべきことに、中国は2025年、ドナルド・トランプ米大統領による関税措置のなかでも最も厳しいものをどうにか切り抜けてきた。日本や韓国、あるいは米国自体でさえ四半期GDPの減少を経験したのに対して、中国は「5%前後」という今年の成長率目標を達成する方向にあるようだ。
もっとも、中国が今後も堅調な成長率を維持できるのかには疑問が残る。古い経済が、習の築こうとしている新しい経済の足かせにならないようにするには、相当な努力が求められることになるだろう。


