「心配することは何もない。すべて問題ない」──グーグルはGmailの20億人のユーザーにそう伝えている。だが残念ながら、事実はそうではない。あなたが心配すべき深刻な問題が存在するのだ。誤解を招く見出しや矢継ぎ早の否定声明が繰り返されても、その問題が消え去ることはない。
誤報や誇張したニュースが繰り返されたが、ユーザーにとってのリスクはなくならない
ここ数週間の間に、同じパターンの別バージョンを2度目に目にしている。Gmailをめぐる、枠組みの甘い記事が過激な見出しを誘発し、その後に公の訂正が出されるというパターンだ。最初は、大規模なセキュリティ侵害が「新たなGmailパスワード流出」として扱われた件だった。続いて、AIの学習に関するグーグルの新たなポリシーが話題になった。
しかし、その侵害は新しいものではなく、Gmailと直接は結び付いていなかった。過去のデータ漏洩を寄せ集めれば、Gmailのデータが大量に含まれるのは当然だ──何しろGmailは世界最大のメールプラットフォームなのだから。そして、Gmailの受信トレイをAIの学習に利用することについて、ポリシー変更は一切行われていない。
グーグルはこうした点をすべて指摘し、過激な見出しは「特に見るべきものはない」といった論調へと変わった。このパターンは今後も繰り返されるだろう。根本的には何も変わっていない。
Let's set the record straight on recent misleading reports. Here are the facts:
— Gmail (@gmail) November 21, 2025
• We have not changed anyone’s settings.
• Gmail Smart Features have existed for many years.
• We do not use your Gmail content to train our Gemini AI model.
We are always transparent and…
(上のXの投稿の翻訳)
最近の誤解を招く報道について、事実関係を明確にします。以下が事実です。・私たちは誰の設定も変更していません。
・Gmailのスマート機能は何年も前から存在しています。
・私たちGmailのコンテンツをGemini AIモデルの学習に使用していません。私たちは利用規約やポリシーに変更を加える際には、常に透明性を持ち、明確に説明しています。
しかし、ニュース記事そのものも訂正も、どちらもユーザーにとっては悪い話だ。そこから見えてくるのは、プライバシーポリシーや、自分たちのデータが実際にどう扱われているかについての理解の欠如である。これはグーグルに固有の問題ではない。ただし、檻の中で圧倒的な存在感を放つゴリラがグーグルであることは事実であり、それには意味がある。
要点はここにある。Geminiは、あなたの親しい友人でもなければ、秘密を打ち明ける相手でもない。ChatGPTもCopilotも同様だ。これらはすべて他人のコンピュータにすぎず、世界各地の灰色のデータセンターで稼働し、世界のエネルギーと水資源の消費に占める割合をますます高めている。



