9. 背景のサンゴに溶け込むセボシウミタケハゼ(エジプト、紅海)
写真のセボシウミタケハゼ(学名:Pleurosicya mossambica)は、目以外はほとんど見えず、背後のサンゴにほぼ溶け込んでいるように見える。サンゴ礁に生息するこの小さな魚は、色による擬態が発達しており、よく目を凝らして見ない限り、その体はほとんど透明に見える。
このカモフラージュには、捕食者を避けるほか、餌となる小さなプランクトンを不意打ちで襲うという特別な役割がある。サンゴ礁に生息する魚の中でもハゼの仲間は最も多様で、エビやサンゴと共生関係を育んでいる種も多い。
この写真は、生息環境への極端なまでの適応を示すものだ。ほぼ見えないほどのカモフラージュは、生き残りのための重要な形質となっている。
10. ケエビーチにかかる雲(米ハワイ州、カウアイ島)
夕暮れ時のカウアイ島、ケエビーチの上空で形成された、特徴的な雲を捉えた作品だ。
この地域では、海から上昇した、暖かくて湿気を帯びた大気が冷却されることで、温度の逆転現象が起きる。カウアイ島に吹き付ける貿易風や火山によって形成された地形が、このような低い位置に広がる「雲海」を作り出している。
こうした気象のパターンは、見た目のインパクト以外にも、環境に重要な役割を果たしている。というのもこれらの雲は、降水や霧をもたらし、ハワイの高地の森や、地域に固有な植物種を維持するのに役立っているからだ。この写真は、大気圏の活動が、直接的にこの島の生物多様性を支えていることを示している。


