3. 砂漠の砂丘群(アラブ首長国連邦、ルブアルハリ砂漠)
世界最大級の連続した砂漠として知られるルブアルハリ砂漠は、広大なパターンを描く原野のように、アラビア半島に広がっている。この写真で見える、オレンジ色の砂丘の連なりや層をなす砂の質感は、砂丘形成をつかさどる、精緻な物理的プロセスの結果として生じたものだ。
砂丘を作り出す風の作用に関する研究から、砂の動きは3つの要素から生じることが判明している。つまり、以下の3つの相互作用だ。
1. 風速
2. 砂粒の動き
3. 表面の形状
風が砂粒を巻き上げ、短い距離を跳ねるような動き(跳動=サルテーションと呼ばれる)を促すなかで、流入する飛砂量と、流出する飛砂量は、一定の砂面の長さ(平衡距離)で平衡(飽和)状態になる。こうした自動調節の仕組みによって、砂丘の高さやなだらかさ、間隔が決まる。
この写真では特に、2つの主要なタイプの砂丘が目を引く。片方のタイプは、砂丘が描くラインが平らでなだらかなタイプで、風のもたらすエネルギーがゆっくりと拡散する臨界点において形成されたものだ。一方、崩れた面が見える砂丘もあるが、こちらは溜まっていた砂が、風下側に流れたものだ。
4. エロスウスルリシジミ(中国、青海省)
この写真に写っている淡い青色をしたチョウの形は、ぱっと見た限りでは、高山に茂る灌木に咲く小さな花のように見える。このエロスウスリシジミ(学名:Polyommatus eros)は、青海省の高原に生息するチョウで、印象的なその色は、羽根を覆う鱗粉が持つ、顕微鏡レベルの構造によって生じている。
このチョウの近縁種で、英名では「コモンブルー」と呼ばれるイカルスヒメシジミ(学名:Polyommatus icarus)のゲノムを調べたところ、1万3000以上のタンパク質を生成する遺伝子を持つことが判明した。これらの遺伝子のうちいくつかは、エロスウスルリシジミ特有の青色を生成する役割を担っている。
このチョウの鱗粉は、光が散乱・屈折するような構造を持っている。それが、この種のチョウの特徴であり、この科に属する他の個体とは異なるメタリックブルーの色合いを生み出している。この鱗粉の構造は体温調節にも一役買っていて、大気が薄く、冷え込む高山の気候でこの種のチョウが生き延びるのを助けている。


