「今日も集中できなかった……」
そんな自分を責めていないだろうか? ただ、集中できないのは、あなたの問題ではない。作業療法士であり脳の仕組みの専門家・菅原洋平氏は、やることが実際に多い「多忙」とは違い、やることが多いと「感じてしまう」状態を「多忙感」と名づけている。
集中できないのは意思の問題ではなく、単純に「集中できない環境」で作業しているだけだと菅原氏は指摘する。では、どうすれば集中できる環境を作れるのか。菅原氏が著書『多忙感』(サンマーク出版)で提唱する具体的な方法を、一部抜粋・再構成してお届けする。
「集中するしかない」環境を作る
成果を出す人が絶対にやらないこと、それは気合いや根性に頼ること。
彼らは「集中せざるを得ない環境」を意図的に作り出し、脳の仕組みを味方につけて集中状態を再現可能にしています。
あなたの脳の海馬にある「場所細胞」は、特定の場所と行動を結びつけて記憶しています。
カフェに入ると何となくリラックスするのも、オフィスに着くと仕事モードになるのも、すべてこの場所細胞の働き。
特定の場所の役割が明確であるほど、その場所に来ただけで自動的に適切なモードに切り替わる仕組みになっています。
では、どうすればこの脳の機能を最大限活用できるのか?
答えは「1作業1スペース」の徹底です。
あなたのデスクを見回してください。
プレゼン資料、付箋のメモ書き、読みかけの本、お菓子の袋など、色々なものが混在していませんか?
これでは脳が「ここで何をすればいいのか」を判断できません。
今取り組んでいる作業に関連するもの以外は、すべて視界から消してください。



