さまざまな困難を抱える既存の巨大都市
国連は、インド、ナイジェリア、パキスタン、コンゴ民主共和国、エジプト、バングラデシュ、エチオピアの7カ国を合わせると、2025~50年の間に都市住民が5億人以上増加すると予測している。これは、同期間における世界の都市住民の増加見込み9億8600万人のうち、半分以上を占めることになる。
これらの主要国の都市化の成否は、世界的な開発成果を左右する。都市の持続可能な成長を管理する能力は住民だけでなく、国連が2030年までの達成を目指す持続可能な開発目標(SDGs)などに向けた世界的な進展に対しても重大な影響を及ぼすことになる。
他方で、既存の巨大都市の多くは困難な状況に直面している。東京の人口は2050年までに3100万人程度に減少し、現在の3位から7位に順位が下がると予測されている。これは、高齢化の影響が社会のあらゆる面に及ぶ中、近年日本が直面している人口減少という全国的な問題を反映している。
一方、ジャカルタは成長を続け、人口過密と深刻な汚染に苦しんでいる。自然の猛威にもさらされており、地震が発生しやすく、地盤沈下により洪水も少なからず発生している。急速に深刻化する問題に対してインドネシア政府が取った解決策は抜本的なものだった。首都を2000キロ近く離れた、世界で最も生物多様性に富んだ地域の1つであるボルネオ島に移転するというものだ。ボルネオ島東海岸に建設される新首都ヌサンタラは2022年に着工し、インドネシア建国100周年に合わせて2045年までに移転を完了する予定だ。だが、これまでのところ、この計画は数多くの困難に見舞われてきた。
世界で最も人口の多い10都市
1位 ジャカルタ(インドネシア)4200万人
2位 ダッカ(バングラデシュ)3700万人
3位 東京(日本)3300万人
4位 ニューデリー(インド)3020万人
5位 上海(中国)2960万人
6位 広州(中国)2760万人
7位 カイロ(エジプト)2500万人
8位 マニラ(フィリピン)2470万人
9位 コルカタ(インド)2250万人
10位 ソウル(韓国)2250万人


