カレンダーを眺めていて、実際に働いているよりミーティングに出ている方が多いなあ、と思ったことはあるだろうか? それは思い過ごしではない。マイクロソフトによる最新リポート「ワーク・トレンド・インデックス」によれば、ミーティングの急増に伴い、多くの職種の人が本当に重要な仕事をするのではなく、延々と繰り返される「パフォーマンスとしての協働」に時間を費やしているという。
価値の高い仕事をするには、実際のところ、途切れることのない強度の集中が求められる。著述家のカル・ニューポートがこの概念を「ディープ・ワーク」と呼んでいるのはよく知られている。
よいニュースもある。まさに、この概念を軸にしてキャリア全体を構築できることだ。そんなわけで、ミーティングが大嫌いな人に向いている、年収10万ドル(約1560万円)以上を望める4つの「静かな」職業を紹介しよう。
1. メディカルライター
メディカルライターは、複雑な科学と、それを理解する必要がある人たちとの架け橋になる存在であり、実入りのいい職業といえる。製薬会社やバイオテック企業のために、臨床試験報告書から医学誌の記事まで、極めて正確かつ規則にのっとった文書を作成する。
そしてメディカルライターは、途切れることのない深い集中が報われる仕事だ。あなたの価値は、ブレインストーミング型のミーティングに出るかどうかではなく、最終的にできあがる文書の正確さを通じて証明される。何時間にもわたる孤独な調査と、一言一句が重要となる文章を丹念に書き上げることが求められる仕事なのだ。
医療分野では、ミスがおそろしく重大な結果につながるため、企業は注意深くて信頼できるライターに、割高の報酬を出す。求人情報大手Glassdoor(グラスドア)の給与データによれば、上級メディカルライターの年収総額中央値は19万2000ドル(約3000万円)にもなるという。
成功するのに、医師になる必要はない。科学、調査、ジャーナリズムのバックグラウンドがあるなら、この仕事で活躍できる。深い知識とソフトスキルが、成功の鍵を握っている。
2. データアナリスト
データアナリストは、企業の数字のなかに隠れている物語を掘り起こし、わかりやすく伝える仕事だ。この職業についた人は、スプレッドシートとデータベースに潜りこんで日々を過ごし、トレンドを発見し、ビジネス上の重要な疑問に答え、リーダーがより賢明な意思決定を行えるようインサイトを導く。
この仕事は、「ディープ・ワーク」の定義そのものだ。あなたの価値は複雑なデータセットに集中し、ノイズのなかにあるシグナルを見つけだす能力によって決まる。絶えまないコミュニケーションよりも、静かな集中の方が断然報われる仕事だ。
現代の経済では、データは黄金だ。未処理データを翻訳し、利益を生むビジネス戦略に変えられるプロフェッショナルに対して、企業は高い報酬を払う。米国労働統計局によれば、データサイエンティストの収入中央値は、2024年5月現在で11万ドル(約1720万円)を超える。
この仕事は、好奇心旺盛で細部にこだわる思索家にはうってつけだ。パズルを解くのが好きで、スプレッドシートに心地よさを感じるなら、この仕事につけば、あなたの分析的思考が最大の財産になるはずだ。



