サントリーの「山崎18年」が、インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)で「スプリーム・チャンピオン・スピリット」に選出され、山崎として3年連続の受賞となった。サントリーは、ジャパニーズウイスキー部門で「プロデューサー・オブ・ザ・イヤー」も獲得し、一貫した卓越性と職人技へのコミットメントを示した。本稿では、新しいロゴと今後の原産地呼称によってジャパニーズウイスキーの真正性を保護する取り組みについても触れる。
ISCにおいて、サントリーの「山崎18年」が「スプリーム・チャンピオン・スピリット」に選出
9月下旬、International Spirits Challenge(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ、ISC)がロンドンで開催され、世界各地から選ばれた「ベストボトル」の年次リストが発表された。1995年に創設された同コンペティションは、蒸留酒業界で最も歴史が長く、信頼されている大会の1つだ。現在この伝統は、6大陸・70か国以上を代表する何千もの出品酒をブラインドで評価する、第一線の飲料専門家による審査員団によって、未来へと受け継がれている。
2025年現在、スピリッツ(蒸留酒)のコンペティションは数が多すぎて把握しきれないほど乱立している。その中で存在感を放つために、ISCはいくつか独自の取り組みを行っている。とりわけ特徴的なのは、毎回のコンペティションの最後に、すべてのアルコールカテゴリーを通じて最高得点を獲得したただ1本の銘柄に、「Supreme Champion Spirit」(スプリーム・チャンピオン・スピリット)の称号を授与する点である。今年、その栄誉に輝いたのは、サントリーが手がける、日本のシングルモルトウイスキー「山崎18年」だった。
米国では1本あたり最大で800ドル(約12万5000円)で販売されることもあるこのウイスキーについて、ISCの審査員は「卓越したなめらかさと、驚くべき味わいの力強さが両立している」と称賛した。より具体的には、山崎18年は、ダークフルーツとビャクダンを思わせる香味の洗練された融合によって際立っている。この点で同ボトルは、スパニッシュオーク樽とミズナラ樽という2つの樽材を高度に生かしてきた同蒸留所の取り組みを示す、最も重要な証しとなっている。濃厚なダークフルーツの味わいは前者の樽から、お香のように複雑なフィニッシュは後者の樽からもたらされている。
大阪郊外に位置し、創業から102年を数えるこの蒸留所が、年数表記のあるボトルで同コンペティションの「スプリーム・チャンピオン」の称号を獲得するのは、これで3年連続となる。2023年には「山崎25年」が最高得点を獲得し、昨年は「山崎12年」がその座を引き継いだ。コンペティション31年の歴史の中でも前例のない快進撃だ。
「3年連続でSupreme Champion Spirit(スプリーム・チャンピオン・スピリット)のタイトルを獲得できたことは、大変な名誉であり、私たちの“カイゼン”――継続的な改善とクラフトマンシップへの献身――へのコミットメントを体現できたものです」と、サントリーグローバルスピリッツ社長の森本(モリー)昌樹は書面によるプレスリリースで述べた。「この受賞は、山崎の先駆的な精神と卓越したクラフトマンシップの証です」。



