食&酒

2025.11.29 13:00

サントリー「山崎18年」──2025年ISCが選出した世界最高のウイスキー

(C)サントリー

この受賞はまた、同蒸留所と、その姉妹ブランドである「白州シングルモルト」、「響ブレンデッドウイスキー」、「ハク(白)ウォッカ」などにとって、まさに飛躍の1年を締めくくるにふさわしい出来事でもある。比類なき存在とされる白州25年は、今年のISCでダブルゴールドを受賞し、これに加えて同社の他のラベルが11個のゴールドメダルを獲得した。響もさらに4つのゴールドを手にし、その中には限定品の「響100周年アニバーサリーブレンド」も含まれている。総じて見れば、サントリーはジャパニーズウイスキー部門のプロデューサー・オブ・ザ・イヤーのタイトルを6年連続で守り抜いた。

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「ハク」はその一方で、初のフレーバー商品となる、柚子のシトラスをインフューズしたクリーンなスピリッツを初秋に発売した。これは、飲食店でも家庭でも、瞬く間に好意的に受け入れられた。その後11月上旬には、筆者は、サントリーのチーフブレンダーである福與伸二(ふくよしんじ)が、同社での伝説的なキャリアを通じて、世界で最も多くの受賞歴を持つウイスキーメーカーの1人となった事実を取り上げた

この1年を通じて、同社のスピリッツブランドは、世界各地でプレゼンスを高めることを目的に、注目度の高いプロモーション施策に取り組んできた。その象徴的な例が、この冬のロンドン・ベルグレイヴィア地区にある人気の日本食レストラン、SACHI(サチ)である。サントリーとの独占的なパートナーシップを通じて、ウイスキーファンは、ロンドンの街並みを見渡せる特別仕様の屋上テラスで、響ハイボールやホットトディ(ウィスキーカクテル)を楽しむことができる。

一方米国では、福與はつい最近、ジャパニーズウイスキーにおける最大のライバルであるニッカの尾崎裕美と、キリン富士御殿場蒸溜所の田中城太を、ニューヨークのサントリーグローバルスピリッツ本社に招き入れるという前例のない1歩を踏み出した。3人は、このカテゴリーを正式な形で確立するための次のステップを描き出したのだ。その一環として、「日本洋酒酒造組合」(JSLMA)は、今年初めに新しいロゴを採用した。それは丸い「JW」エンブレムで、日本特許庁に出願済みであり、まもなく海外市場でも登録申請が行われる予定だ。このロゴは、そのボトルに入った液体が、日本国内で蒸留され、熟成され、瓶詰めされたものであることを消費者に保証する。

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来年には、正式なジオグラフィカル・インディケーション(GI)が続く見込みであり、それによってこのカテゴリーに法的拘束力を持つ定義が与えられることになる。こうした取り組みのすべては、このカテゴリーの健全性への信頼を確かなものにすることを目的としたものだ。一方で、「Supreme Champion Spirit」(スプリーム・チャンピオン・スピリット)という最高位の栄誉を手にすることで、山崎は、真のジャパニーズウイスキーが守るに値する存在であること、そして比肩するもののない存在であることを世界に証明しているのである。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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