自律的に授業を行うAI家庭教師「Mia」を採用、個々の学習者に最適化
PalFishは、世界の個々の学習者に合わせた魅力的なソリューションを提供するために、「Mia(ミア)」と呼ばれるAI家庭教師を活用している。「Miaは単なるチャットボットではなく、知識の提供からインタラクティブな質疑応答、生徒のリアルタイムの反応に基づく個別の練習問題の生成、さらには感情状態を読み取って励ますことまで、授業の全プロセスを自律的に完結できる“スーパー教師”として設計されている」とリーは説明した。
彼によると、これまでのAIはインタラクティブな質疑応答しかできなかったが、今では子どもの思考や学習状況を深く理解し、部分的には人間の教師を上回るレベルに達しているという。「PalFishが独自に開発したAI家庭教師は、1対1で授業の全プロセスを担い、大量のデータを使ったトレーニングによって高い精度を実現している」とリーは説明した。授業後にはAIアシスタントが学習レポートを作成し、専任のケアチームが保護者や学習者に効率的にフィードバックを行えるようにする。この仕組みが、「国境をまたぐチーム間の連携効率を高め、文化の違いによる管理上の非効率を減らす」とPalFishは述べている。
リーは、こうした変化を踏まえ、現在の新しいAI時代が学習コンテンツや学び方そのものを再構築し、かつて“デジタルネイティブ”と呼ばれたインターネット世代をさらに進化させる存在になっていると考えている。
AI導入で教材コストを削減、子どもたちの創造する力が向上
「現在起きている技術革命は、教育企業を新しいスタートラインへと引き戻した。競争の鍵を握るのは進化のスピードだ。AIが教育にもたらす最も大きな影響は、子どもたちが本当の意味で“AIネイティブ”になることだ。幼いうちからAIと協働し、AIとともに創造する力を身につけられる」とリーは話す。経済的に苦しい家庭や学区にとっても、AIの導入は教材コストの大幅な削減につながり、学習も「受け身」から「主体的な創造」へと転換できるという。
語学アプリやハードウェアも販売、数学などの複数分野に事業拡大
PalFishは、「PalFish Class」や「PalFish English」「PalFish Read」といった子ども向けの語学アプリに加え、「Learn Station」「Brainy Pad」などのハードウェア製品でも収益を上げている。学習コースのパッケージは各ユーザーのニーズに合わせてカスタマイズされ、東南アジアの市場では200ドルから5000ドルまで幅広い価格帯で提供されているとリーは説明した。
PalFishはすでに英語学習にとどまらず、数学などの複数分野の事業へと拡大している。「テクノロジーをグローバルに適用するには、各地域の多様なニーズに対応できるよう、教育企業側がプロダクトも運営も絶えずアップデートしていく必要がある」とリーは語る。「AIは単なる道具ではなく、教育企業が世界でより速く、より効果的に変革していくための“加速装置”だ」と彼は述べている。
社内システムにAIを導入し、異文化チームのマネジメントを最適化
PalFishは、自社が掲げる理念を実践する上で、社員管理や海外展開の支援にもAIを活用している。「私たちはAIを教育サービスの強化に使うだけでなく、異文化間で働くチームのマネジメント最適化にも使っている。AIを導入した社内システムが、管理者のマネジメント範囲を広げ、グローバルチーム間の精緻な協働を可能にし、組織のフラット化を促すことで意思決定のスピードを高めてくれる」とリーは説明した。
彼はまた、自身の家庭でもPalFishのプロダクトを使っており、実生活での視点から助言を得ているという。家族はPalFishの絵本を読み、オンラインのマンツーマン英語レッスンも利用しており、リーによれば、彼らはプロダクトの改善やサービスの迅速な向上に役立つ貴重なフィードバック源になっているという。


