アパレルブランドなどを展開し、衣料品や雑貨を企画、販売するHUMAN MADEが、11月27日に東京証券取引所グロース市場に上場した。
初値は公開価格の3130円を9.9%上回る3440円で、初日の終値は3545円。同日、東京証券取引所内で記者会見した代表取締役CEO兼COOの松沼礼は、「50年、100年愛されるような世界的なブランドにしたい」と話した。
同社は、2016年に著名デザイナーのNIGOが創業。アパレルブランドとしての「HUMAN MADE」を世界で展開し、2024年5月に社名をオツモからHUMAN MADEに変更している。また、同月には松沼が代表取締役CEO兼COOに就任し、代表取締役CEO兼クリエイティブディレクターであったNIGOはクリエイティブ業務に専念していた。
同社は「CULTIVATE CULTURE」というパーパスを掲げ、人間の閃きと、人の手が生み出すカルチャーの芽を、マンガ、アニメ、ゲームに続く日本を代表するクリエイティブ産業に育てていくことを標ぼう。「HUMAN MADE」ブランドのほか、東京発オリジナルスパイスを用いた無添加カレーを提供する「CURRY UP」の運営や企業ブランディングの支援、商品開発や空間演出など、各種コラボレーションやプロデュース業務を行っている。
クリエイティブと経営の分離という特徴をもち、松沼もNIGOに誘われるかたちで2021年7月に参画。松沼は当時を振り返り、「日本の多くのブランドはデザイナーが社長を務めている。ところが、海外で成功しているブランドは、ビジネスとクリエイティブの両輪で組織が成されている。HUMAN MADEを日本発のグローバルブランドにしたいとのことで誘いがあった」と明かす。
現在クリエイティブサイドは、クリエイティブディレクターであるNIGOのほか、アドバイザーにはアーティストのファレル・ウィリアムスとKAWS、クリエイティブパートナーにグラフィックアーティストのVERDYという陣容。ビジネスサイドも各領域に知見を持つ人材を揃え、組織づくられている。
クリエイティブとビジネスの分離によるバランスの取れた経営体制によって、2025年1月期には売上高112億円で営業利益31億円、営業利益率は28%を記録。2023年1月期から2025年1月期までの年平均成長率は44%と、高収益、高成長、高効率のビジネスモデルを実現している。



