これは臨床的観察とも一致する。対立の背後にある本当の理由はもっと深いもので、私たちが対立に与える意味に起因している。例えば以下のようなものだ。
・家事についての意見の相違は、実は尊重され、支えられていると感じたいから、あるいは責任分担が必要だからかもしれない。
・お金に関する口論は多くの場合、安全性や自律性、あるいは幼少期の質素な暮らしにまつわる大きな不安を示している。
・いっしょにどう過ごすかをめぐる対立は通常、親密さや自律性、相関空間、アイデンティティ、感覚調節のニーズにたどり着く。
要するに、対立は喧嘩のネタが表面化する前に、より深い心理的ニーズを活性化させる。そしてこれらのニーズはその人の気質や愛着スタイル、幼少期の家庭での経験によって形成された長年のパターンから生じているため、大人になってからもそうしたニーズをずっと抱えている。そこに対立の根源があり、ほとんどの場合、なくなることはないない。
不快に聞こえるかもしれないが、たいていは自分が思っているようなことで争っているわけではない。多くの場合、あなたは議論やそのテーマがあなたにもたらす心理的な意味や脅かされたニーズに反応している。ここで受け入れ難いのは、反応を引き起こす象徴や歴史、価値観を永久に「解決」することはできないということだ。だがそれを理解し、存在を認め、はるかに明瞭で思いやりのある方法で回避することはできる。
果てしない対立は、新しいものでも救いのないものでもない
2人の人間が付き合うようになれば、それぞれの内面が重なり合う。 双方が独自に下記のものを持ち寄るため、重なりから生じる摩擦は避けられない。
・神経系
・感情の論理
・関係性のペース
・対立とコミュニケーションのスタイル
こうした違いが、カップルの「永遠の対立」の根本的な原因となる。理由は簡単で、日常が予測通りに運ぶ環境で成長する人が魔法をかけたかのように自発的になることはないからだ。同様に、感情を自分の中で処理する人がすべてを即座に言葉にする人に変わることはない。
これは2つのことを意味している。
1. 繰り返される対立は予測可能なもの
性格の違い、ライフスタイルのリズム、感情的なニーズ、核となる価値観など、同じ要素で再発する傾向がある。
2. 対立が繰り返されるからといって、関係に本質的な欠陥があるわけではない
コミュニケーション能力のなさや努力不足、相性の悪さを示すものでもない。これらは正常な人間ならばらつきがある。


