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2025.12.02 18:00

恋愛関係における対立の69%は「解消できない」、その理由と乗り越える方法

Shutterstock.com

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長期的な恋愛関係、時には短期的な関係でもカップルはよくある言い争いのループから抜け出せなくなってしまうことがある。問題について話し合い、解決する。そして、ほっとするのも束の間、ある日、あるいは数週間後、数カ月後に残念ながら対立が再燃する。

カップルはこうした繰り返される対立を「相性の悪さ」によるものだと解釈することが多い。「私たちは何かを見失っているのだろうか」「私たちのやり方が間違っているのだろうか」「なぜ私たちはこれを解決できないのだろうか」といった疑問に悩まされるかもしれない。

心理学的研究はそうした考えとは異なる、不思議と安心する視点を提供してくれる。それは、恋愛関係の対立の69%はずっと続くというものだ。

この発見は、心理学を専門とするジョン・ゴットマンによる数十年にわたる研究の縦断的データから得られたもので、恋愛関係科学の中で最も用いられている洞察の1つだ。少し重苦しく聞こえるが、強力な真実を含んでいる。基本的に、繰り返し起こる対立のほとんどはある1つの核心的な理由から続いており、その理由を理解することで関係への向き合い方を根本的に変えることができる。

カップルがいとも簡単に永遠に続く対立のループにはまってしまう2つの理由は以下の通りとなる。

対立の核心にほとんど対処しない

カップルは家事や家計、子育ての方針、情緒的応答性、セックス、時間厳守、義理の両親が訪ねてくる頻度などについて言い争っていると思い込んでいることが多い。これらは現実的で非常に控えめ、かつ簡単に解決できる問題に思える。だが多くの研究が一貫して示しているのは、こうした表面的なものが2人の間に緊張をもたらす真の原因であることはほとんどないということだ。

専門誌『Frontiers in Psychology』に掲載された141組のカップルを対象とした観察研究では、対立時のカップル双方の感情的反応を引き起こすのは対立のネタそのものではなく、脅かされている根本的なニーズであることがわかった。

恋愛関係の中で自律性に関する不満(コントロールあるいは制限されていると感じる)を経験すると、人は怒りや苛立ちのようなネガティブな冷めた感情を示した。だが関係性の不満(つながっていない、支えられていないと感じる)を経験すると、人は傷心や悲しみ、失望といったネガティブな感情を示した。

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翻訳=溝口慈子

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