働き方

2025.12.05 07:15

Z世代が職場の飲み会、忘年会を求める合理的な理由

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消極派はハラスメントへの懸念も

一方、参加したくない理由のトップは「プライベートを優先したい」で、次いで「飲み会のノリについていけない」、「上下関係が面倒・疲れる」となった。

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年代別では全世代で「プライベートを優先したい」が最多だったが、40〜50代では「飲み会のノリについていけない」「経済的な負担が気になる」といった回答の割合が他世代より高かった。

自由記述では「場の雰囲気として反発できない」「プライベートと区切りをつけたいため苦手」といった声が寄せられた。参加に消極的な層には、発言や振る舞いに気を使わざるを得ないと感じている人が一定数いる様子がうかがえる。

6割が出世のチャンスと認識

職場の忘年会文化が必要かを聞いたところ、「必要だと思う派」は過半数を占めた。理由は「対面交流の重要性を感じる」がトップ、次いで「普段関わらない人と交流できる」、「仕事以外の話ができる」となった。

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また、忘年会が出世のチャンスだと思うかという問いには、6割が「チャンスだと思う派」と回答した。かつては人脈形成や昇進の機会として語られていた忘年会だが、現代でも一定数がそのような認識を持っていることが明らかになった。

ただし、「無礼講の飲み会と言われたら」という問いに対しては、「リラックスの指示と受け取る」が最多となり、「関係性や場の空気への配慮」、「日本の上下関係の文化を感じる」と続いた。接待的な要素は薄れ、よりフラットな交流の場へと変化しつつある様子がうかがえる。

環境が変われば意味も変わる

20代の高い参加意欲は、単に「若者が変わった」のではなく、「働く環境が変わった」ことの反映だろう。コロナ禍で社会人になった世代にとって、忘年会は負担ではなく貴重な対面機会だ。一方で、ハラスメントへの配慮や場の空気を気にして参加を躊躇する声もあり、この文化がまだ過渡期にあることを示している。世代ごとに求めるものが違う今、忘年会の在り方も少しずつ変わっていくのかもしれない。

【調査概要】
調査対象:現在就業中の全国の男女(20〜50代)421人
調査期間:2025年10月29日〜11月4日
調査方法:インターネット調査

プレスリリース

文=池田美樹

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