5. ワイアレアレ山とウィーピング・ウォール滝(米国ハワイ州カウアイ島)
「ワイアレアレ」という名前は、直訳すると「波打つ水」という意味だ。その名のとおり、楯状火山であるワイアレアレ山は、地球上で最も降雨量の多い場所の一つで、年間450インチ(約1万1430ミリ)もの雨が降る。
ひっきりなしに雨が降るからこそ、写真に写っている「ウィーピング・ウォール滝(むせび泣く壁の滝)」は流れ続けているわけだ。滝はほぼ垂直に流れ落ち、その周囲はコケやシダ、着生植物に覆われている。山頂の雲霧林は、生きたスポンジのように雨水を吸収し、カウアイ島を流れる川に対して、水をゆっくり供給する。そうやって、下流の生態系と住民の暮らしを支えている。
生物学的にみると、ワイアレアレ山は、キキョウ科のハワイアン・ロベリオイドやフトモモ科のオヒアレフア(日本名:ハワイフトモモ、学名:Metrosideros polymorpha)など、数え切れないほどの植物が生息する固有種のホットスポットだ。何よりも興味深いのは、こうした植物をはじめとする多くの種が、完全に孤立した状態で進化してきたことだ。地球のどこを探しても、同じ種は存在しない。


