独立した分析でも、ウクライナ当局と同様の見解が示されている。米シンクタンクの民主主義防衛財団(FDD)でロシアプログラムの副ディレクターを務めるジョン・ハーディーは、FDDのニュースサイト「ロングウォー・ジャーナル」への寄稿で、ロシア軍は新型誘導爆弾を「オデーサ、クリビーリフ、ドニプロ、ポルタバといった都市の重要インフラ目標や軍事目標、軍産複合目標に対する攻撃に使用する可能性が高い」と記している。
ウクライナ領土防衛隊第109独立旅団の軍人アンドリー・ルミャンツェウは筆者の取材に答え、ロシア軍の新型の長射程滑空爆弾は民間人にとっても深刻な脅威になっていると懸念を示した。「これはウクライナ人にとって、たいへん大きな苦痛を伴う問題です。精度が低く、生産コストが比較的安いため、この爆弾は民間人を恐怖に陥れる非常に危険な兵器なのです」とルミャンツェウは述べ、「長射程の滑空爆弾に対しては発射母機を破壊する以外、わたしたちには対抗手段がありません。発射母機を破壊しなければ、射程圏内にあるウクライナの都市はすべて壊滅させられるでしょう」と続けた。
航法システムの改良
ウクライナの電子戦専門家であるセルヒー・「フラッシュ」・ベスクレストノウの詳細な分析によれば、ロシアのジェット推進式の新型滑空爆弾であるUMPB-5Rは、航法システムに大幅な改良が施されている。ロシア製の16素子CRPAアンテナの採用だ。この新型アンテナの搭載はかねて噂されていたが、最近回収された残骸で初めて確認された。
この高度なアンテナはジャミング(電波妨害)への耐性を高め、滑空爆弾が長距離でも精密誘導を維持できるようにする。ベスクレストノウはこの改良から2つの動向を読み取っている。ひとつは、ロシア側はウクライナの電子戦能力によって誘導システムの強化を強いられているということ。もうひとつは、ウクライナ側がこうした新型アンテナに対抗するには、電子戦ネットワークを格段に高密度化する必要があるということだ。ベスクレストノウによれば、場合によっては電子戦装置を5kmごとに設置することが必要になるという。


