マッチングアプリを仕事目的で使った人の約半数は、「厳しい求職状況に背中を押された」
もっとも、この調査は査読付きの研究ではない。履歴書作成サービスのサイトが実施し、調査参加者はPollfishというアンケートプラットフォーム経由で募集された。そのため、参加者がマッチングアプリ利用者の完全にランダムなサンプルを代表しているとは限らない。それでも今回の結果は、同様の現象を示す他の推計と整合している。
実際、LGBTQ+向けのマッチングアプリGrindrは、ユーザーの4分の1がネットワーキング目的で利用しているとの推計を示しており、同社CEOもアプリ経由で採用した社員がいることを認めている。ティンダーはこの問題を看過できないと判断し、13項目から成るコミュニティガイドラインの中に「ビジネス目的ではなく、個人的なつながりを求めること」という旨の一文を明記した。
3人に1人は「仕事を得たい、あるいは前に進みたいという切迫感があった」
厳しい雇用環境の中でのキャリア形成には、ネットワークを広げるための創意工夫が欠かせない。マッチングアプリを仕事目的で使った人の約半数は「厳しい求職状況に背中を押された」と答え、3人に1人は「仕事を得たい、あるいは前に進みたいという切迫感があった」と認めている。キャリアカウンセラーの中には、この方法を顧客に勧める人さえ出てきた。
恋愛目的でアプリを使う人は、警戒心が緩みやすく協力的との声も
マッチングアプリのほうが従来型のビジネス系SNSより有利だと指摘する声もある。恋愛目的でアプリを使う人は警戒心が緩みやすく、より協力的になりやすいという見方だ。また、LinkedInのようなビジネス用途のアプリより、マッチングアプリのほうを頻繁にチェックするユーザーも多い。
ResumeBuilder.comのチーフ・キャリアアドバイザー、ステイシー・ハラーは調査報告でこう述べている。「従来のネットワーキングプラットフォームと比べて、マッチングアプリはより個人的で心理的なプレッシャーも少なく、本物の関係を築きやすい環境を提供する」。


