いずれにせよ、生まれ平成、価値観昭和、売り方令和が僕の目指すところだ。
自分の「好き」に熱狂し、とことん真剣に仕事に向き合い、職場で仲間とぶつかり合ったり支え合ったりしながら、自己成長を果たす。こうした働き方は、昭和の価値観に近いものがあるだろう。
でも、僕たちは気合いや根性で商売はしない。むしろテクノロジーをうまく活用し、レバレッジを利かせて、繊細な感度で売っていく。売り方はあくまで令和の価値観で行う。
そんな場所をつくっているつもりだし、それがyutoriのビジネス。そして、それは令和の若者たちの生き様でもあると思っている。
変わらないために、変わり続けよ
読者のみなさんのなかには、ときに自分の才能を信じることが難しいと感じる人も多いだろう。思ったような結果が出ない時期もあるし、そんなときは、「いま自分は止まっているのではないか」「どうやって成長すればいいのだろう?」と悩みがちになる。
僕も、自分が停滞している感覚にとらわれたことは何度かある。そんなときはどうすればいいか?
僕が思うに、大事になるのは自分の「欲」の強さだ。
僕の場合なら、会社を大きくして「若者帝国」をつくるという強烈な欲望がそれにあたる。いまのyutoriと、他の大手アパレル企業を比較するだけでも、不足していることやできていないことは山ほどある。だからこそ、欲望の火が燃え続ける。
その欲が、自分のどこから来ているのか正直なところわからない。でも、言語化できない、自分のなかにある得体の知れないエネルギーが、常に自分を突き抜けさせてくれてきた。
それが、各々が抱えている「初期衝動」の力なのだ。
観点を変えると、自分が本当に「好きなこと」に取り組むことだ。
自分の「好き」の炎さえ消さなければ、欲だのエネルギーだの余計なことを考えずとも、無我夢中でそれに取り組み、悩みや不安にとらわれず突き進んでいくことができる。
その意味で、自分の「志」を持つことはやっぱり大切だ。小さくまとまるのではなく、人生を賭けて取り組む大義を見出そう。
そのスケール感もポイントになる。わかりやすい例を挙げると、よくお金を稼ぎたいといって、年収1000万円という目標を立てる人がいる。でも、その人はもしかしたら年収1000万円に手が届くかもしれないけれど、年収1億円は絶対に稼げないだろう。そんな感覚に近いかもしれない。


