ロシアの軍事機構は明らかな疲労の兆候を見せ始めている。ウクライナ侵攻開始から4年近くにわたり、国内経済に数兆ルーブルを注入するという財政の行き過ぎが続いた結果、ロシア政府はもはや苦境を隠し切れなくなっている。
米国のマルコ・ルビオ国務長官は23日、スイス西部ジュネーブでウクライナ当局者と恒久停戦について協議した。米国の制裁が効を奏しているように見える今こそ、ロシアに対して手加減をすべき時ではない。
国外では、米国がロシアの石油輸出を標的にした制裁を強化することで、同国の経済に打撃を与えようとしている。戦場では、ウクライナ軍の無人機(ドローン)が、戦争遂行に必要な収入を生み出すロシアの製油所や石油化学工場を組織的に攻撃している。ロシア国内では、拡大する財政赤字により、志願兵への支払いが困難になろうとしている。財政が悪化するにつれ、ロシアの戦略的な選択肢も狭まっていく。
この現実こそが、当初提案された28項目から成るウクライナ和平案が完全に見落としていた点だ。米国のスティーブン・ウィトコフ中東担当特使ら計画立案者はウクライナに対して不可能な要求を突きつけることで、ロシアの厳しい事実を無視し、米国が現在、同国にかけている圧力を活用する機会を逃した。ロシア側に最終的に本格的な交渉を強いるためには、米国は圧力をかけ続け、ロシアとウクライナの双方を対話に導き、真の妥協を迫り、平和のために双方が合意できる条件に到達する必要がある。だが、ウクライナに降伏を強要することは、米国の戦略的利益にはならない。
ロシアの石油輸出を圧迫する国際制裁
ドナルド・トランプ大統領は先ごろ、長らく延期されていた対ロシア制裁法案に青信号を灯した。今回の制裁は、ロシア産原油輸入を通じて同国に資金提供を続ける第三国を圧迫するために考案された。目的は単純明快だ。ウクライナ侵攻を支えるロシアの収入源を断ち切り、同国の戦時経済の衰退を早めることだ。
これは、米国によるロシアへの段階的な経済包囲網が強化されたことを示している。米財務省は先月、ロシアの2大石油企業であるロスネフチとルクオイル、およびその関連会社を制裁対象とし、11月21日までに全ての取引を終了するよう命じた。この動きは、ロシアのエネルギー産業の核心部を狙っている。ロスネフチとルクオイルはロシアの原油輸出のほぼ半分を占め、同国の政府収入の大部分を担っているからだ。



