Netflixが本気の“対YouTube戦”に動く 26年に期待のビデオポッドキャスト市場とは

もう一つの潮流、縦型ショート動画の再燃

2026年、もう一つ大きな成長が予測されている分野がある。それが1〜3分の連続短編ドラマを縦画面で配信する「バーティカル(縦型ショート動画)」だ。米国では、2018年にディズニー元社長らが立ち上げたQuibi社が先駆けだった。しかしわずか半年で14億ドルを使い切り20年12月にサービスが終了。原因は、視聴がスマホ限定という制約や、コロナ禍でテレビ視聴が増加したこと、高額な製作費を投入したが話題作が生まれなかったことなどだった。

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しかし近年は、動画内での広告導入で視聴無料化・低料金化が進み、製作費も抑えられる仕組みが確立。欧州や中国を中心に再び盛り上がり、26年から米大手メディア企業が、本格参入を目指している。FOXエンタテイメントは、ウクライナのHolywater社を買収し、MyDramaと称されるアプリケーションを介して今後2年間で200本の連続ドラマの制作を目指すと公表。NBCユニバーサル・テレビもMicroCo社を創業、製作費は抑えながらもハリウッド水準の高品位番組サービスを開始すると発表した。さらに、著名インフルエンサーのキム・カーダシアンも1400万ドルの資本金で、動画配信プラットフォームGammaTimeを創業した。

日本でも「BUMP」を運営するemoleなどのスタートアップをはじめ、大手テレビ局もショートドラマ市場に進出している。なかでも、先行しているのは中国勢だ。DramaBoxは4000万人の視聴者を獲得し、前年比27倍に成長。ReelShotも復讐劇や純愛など鉄板ジャンルのショート動画をヒットさせている。

2026年、ビデオ・ポッドキャストとバーティカル(縦型ショート動画)、2つの市場動向から目が離せない。

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文=北谷賢司

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