横断歩道を渡ろうとすると自動運転車が停車し、「ちゃんと見て止まってますから、安心して渡ってください」と目で合図をしてくれる。そんなアニメのように人とアイコンタクトができる車が本当に街を走るようになるかもしれない。
関西大学総合情報学部の瀬島吉裕教授は、さまざまな目の動きで非言語的に意思疎通を試みる、自動運転ロボット用の「瞳ディスプレイ」を開発した。これは、瞳の中に歩行者の姿を映し出して「あなたを見ています」、「認識しています」と伝えたり、まぶたを閉じて「速度を落とします」、「停止します」といった意思表示が行える。
この研究は、ぬいぐるみ型ロボットに動く瞳を与えて人とロボットが共感し合える「視線コミュニケーション」技術の開発からスタートした。人間同士が見つめ合ったときの信頼感や安心感を、人とロボットとの間にも芽生えさせ、人と機械との心理的な距離を縮めることが目的だ。
現在は、その技術を自動運転ロボットやモビリティー機器に導入して、交通環境下での展開に力を入れている。今後は自動車メーカーの協力を得て、フロントガラスやヘッドライトに瞳ディスプレイを搭載し、「ドライバー(またはAI)が歩行者を認識している」ことを明示して、安全と安心を両立できる「交通インターフェイス」を実現させるとのことだ。



