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2025.11.29 13:30

ロッテの壁を壊し日韓1兆円を目指す連携の哲学:ロッテホールディングス 玉塚元一

玉塚元一|ロッテホールディングス 代表取締役社長 CEO

時に衝突する両者をHDトップとしてどのようにまとめあげたのか。

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「できることは全部やります。基本はロジックとビジョン。ただ、エモーショナルな部分を無視するとうまくいかない。まずは本音を吐き出してもらい、時には私が直接交渉したり、障害になっている人を外すこともある。経営は、べき論だけではできないですから」

ミッション達成のためにあらゆる手を尽くす。その姿勢は、7年間背中を見続けたファーストリテイリングの柳井正から学んだところが大きい。

玉塚はMBA取得後、AGCから日本IBMに転職。柳井を含めた経営陣にシステムのプレゼンをしにいった縁で、ファーストリテイリングに入社した。

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「強烈でした。ビジョンが明確で、その実現のために何をすべきか、朝から晩までずっと考えて実行していた。ある意味、遊びがなくて疲れますよ。でも、これが経営者のあるべき姿だなと」

玉塚は39歳でファーストリテイリング社長に就任。学んだものを発揮して、フリースブーム終焉で低迷していた経営を立て直した。ただ、柳井はそのまま後釜に据えることなく、3年後に自身が社長に復帰した。その後経営を託されたローソンでも、支配株主・三菱商事の意向で会社を去っている。

そうした経緯から、世間で玉塚の手腕への評価は分かれている。ただ、玉塚を放っておかず、またすぐに声がかかることも事実だ。

「僕はミッションドリブン。課せられたミッションは石にかじりついてでも達成してきたけど、それ以外にはこだわりはなく、地位に固執したりもしない。そういう面を見てくれた方がいるということでしょう」

ロッテは、玉塚の招聘前から事業会社ロッテの上場プロジェクトを進めていた。それも玉塚のミッションのひとつだったはずだが、24年1月にIPO延期を発表。真意を問うと、「上場はミッションではない」と答えた。

「成長戦略のない上場は地獄ですよ。まず日韓で描く成長戦略を軌道に乗せることが先。その延長線上で、海外全体のエンティティを上場させるほうがスケールは大きい。そうした選択が視野に入るように、グローバルでロッテの価値を最大化させることが今の私のミッションです」


たまつか・げんいち◎1962年、東京都生まれ。85年に慶應義塾大学法学部を卒業後、旭硝子(現AGC)入社。日本IBMを経て98年にファーストリテイリング入社。2002年に同社代表取締役社長兼COO。その後リヴァンプ創業などを経て10年にローソン入社。21年より現職。

文=村上 敬 写真=苅部太郎

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