2025.12.05 14:15

「世界のベストホテル50」に見る、ホスピタリティ業界と富裕層のトレンド

日本最高位となった15位のブルガリ東京(c)The World’s 50 Best

彼によると、近年の富裕層は居住地が流動的。2025年版のミリオネア(100万ドル以上の総資産を持つ)の流出が多い国のトップ10は1位から順にイギリス、中国、インド、韓国、ロシア連邦、ブラジル、フランス、スペイン、ドイツ、イスラエル。流出先は同じく順に、アラブ首長国連邦、アメリカ、イタリア、スイス、サウジアラビア、シンガポール、ポルトガル、ギリシア、カナダ、オーストラリアとなっている。

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ミリオネアの数が多い国は、アメリカ、中国、ドイツ、日本、英国、フランス、オーストラリア、スイス、カナダ、イタリアの順になる。日本は世界4位にミリオネアが多く、2014年から2024年にかけてその数は5%上昇している。トップ2のアメリカと中国に関してはその上昇率が7割を超えており、ますます富裕層向けビジネスのマーケットとして注目されることが予想される。

都市レベルでミリオネアの数を見ると、アメリカのニューヨークとベイエリアに続いて、世界3位に東京がランクインした。2014年~2024年の間の増加数で見ると、深圳(中国)、スコッツデール(アメリカ合衆国)、バンガロール(インド)、ウェスト・パーム・ビーチ(アメリカ)、杭州(中国)と続く。

発表された20位以内に日本のランクインはなかったが、将来的に一億ドル以上の資産を持つ超富裕層「センティ・ミリオネア」が増える地域として、世界6位に大阪・京都・神戸(三都市の合計)が入った。

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「エリート富裕層は投資ポートフォリオと同じような戦略的な思考で住む場所を決めており、複数の拠点を持つことで、リスクを軽減しながら機会を最大化している。投資家に対する市民権取得プログラムを提供する都市は、100%以上の成長予測が見込まれている」(ウェイケリング)

「50ベストトークス」ではほかにも、今注目されるウエルネスについて、伝統医療の適応や自然の中で過ごすマインドフルネスの観点、先端医療の観点など多様なアプローチがあることがディスカッションされた。また、ホテルのプロモーションにおいて犬や12歳までの子どもが多く使われる一方でティーンエイジャーの起用が少ない事実とともに、親子で過ごせる最後の時期の旅という角度の訴求はブルーオーシャンであるという発表が行われた。

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文=仲山 今日子

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