リストとは別に設けられた「アート・オブ・デザイン賞」は、南アフリカのクルーガー国立公園内にある「シンギタ クルーガー ナショナル パーク」が受賞した。
オーナーのジョー・バイレ氏は、「アフリカから50位以内入ったのは3軒のみ。アフリカのホスピタリシーンに注目を集める意味でも、受賞のインパクトは大きい。欧米やアジアに比べてアフリカを訪れる人はまだ限られているが、ここに来れば自然と深く関わる、人生を変える体験が待っている」とコメント。人の心に深く働きかけるものを提供していると語った。
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50ベストの授賞式では、前日にトークイベント「50ベストトークス」を行うのが恒例になっている。今回のテーマは「unpacked」。荷解きをする、開封するという意味だが、ホスピタリティ業界の第一人者の心の内を聴衆に伝える内容となった。
最初のスピーカーは、フォーシーズンズのアレッサンドロ・レイナル社長兼CEO。近年、プライベートジェットやヨットなど、ホテル以外のサービスを次々に発表している同社。ホテルサービスからの延長でシームレスな体験を提供し、「ラグジュアリーの”エコシステム”を生み出す」のだという。
「ラグジュアリーとは、究極は人である」と考えるレイナル社長は、ゲストが自分が特別であると感じられる体験づくりに力を入れる。アートやエンターテイメント、スポーツや飲食などのコラボレーションを通して、ホテルそのものに常に新しい驚きを生み出す。これは、さまざまな業界の魅力を統合するホテルならではの懐の深さと言えるだろう。
では、富裕層は何に関心を持ち、どのように行動しているのか。この問いに関して、居住権と市民権の取得アドバイスを行うイギリスのコンサルティング会社、ヘンリー&パートナーズのスチュワート・ウェイケリング氏がリサーチ結果を紹介した。


