世界のベストレストラン50、世界のベストバー50に続き、世界のベストホテル50が始まったのが2023年のこと。他のリスト同様に投票によるもので、ホテル全体に対する心象的な評価で決まる。館内のレストランやバーの質が高ければ、それもそのまま反映されることになり、ホスピタリティ全体を捉えるリストとみることができるだろう。第3回となる授賞式が10月、ロンドンで行われた。
会場となったのはオールド ビリングスゲート。19世紀に世界最大級を誇った魚市場をイベント会場にした場所で、ホテリエやジャーナリストなど700人が集まった。
日本から50位以内に5軒
「世界のベストホテル50」の投票者は約800人。ホテリエやトラベルジャーナリスト、頻繁にラグジュアリーな旅に行く知識豊富な旅行愛好家などが、過去24カ月以内に訪問したホテル7軒を選ぶ。同じグループからは、3軒以上に投票することはできない。
今年から、さらに多様なホテルにスポットライトを当てるために、中央ヨーロッパやアフリカなどに4人のチェア(評議委員)を増やし、合計13人で審査を行うことになった。また、外部の監査機関デロイト社を入れて透明性の高い投票システムを構築したと発表した。
日本はインバウンドの好調さを受けてか、去年の3軒から2軒増えた5軒が50位以内にランクインした(15位 ブルガリ東京、25位 アマン東京、37位 ジャヌ東京、45位 エディション虎ノ門、46位 HOTEL THE MITSUI KYOTO)。また、今年から発表された51〜100位には、59位に京都のパークハイアット京都、74位にアマン京都が入った。
「ローズウッド香港」が世界No.1に
1位はローズウッド香港だ。ローズウッドグループのソニア・チェンCEOは、ファッションショーでVIPが座る最前列になぞらえて「フロント・ロウ」と名付けたイベントで、世界の最先端のレストランを呼び富裕層の注目を喚起する一方、各フロアの飾り棚にアンティークを置くなど、ヘリテージを保ちながら今の時代らしい活気を表現している。
例えば昨年のフロント・ロウでは、館内のケーキショップ「バタフライ・ペストリー」で、東京「été」の庄司夏子シェフを招聘したイベントを開催。1日20個限定でシグネチャーのマンゴータルトを販売するなど、富裕層やセレブリティが好むラグジュアリーかつエクスクルーシブを体現した。広報責任者のアンガス・ピックスリー氏は、「今後も美食に注力したプロジェクトを行なっていく」と話す。




