毎年チャートトップを飾るマライア・キャリーのクリスマスアンセム「恋人たちのクリスマス」は、今年も首位に返り咲けば、ビルボード・ホット100ソングチャートの1位獲得週数の歴代記録を塗り替える可能性がある。
重要ポイント
キャリーの年恒例のチャート首位への上昇は、すでに始まっている。「恋人たちのクリスマス」は今週のビルボード・ホット100ソングチャートで8位にランクインしていると、ビルボードが11月24日に発表した。
キャリーの1994年のクリスマスヒット曲が再び1位に上昇すれば、「恋人たちのクリスマス」がトップに立つのは通算19週目となり、キャリーはビルボード・ホット100の歴代1位獲得週数の記録に並ぶことになる。
リル・ナズ・Xとビリー・レイ・サイラスは2019年、ラップとカントリーを融合させたヒット曲「Old Town Road」でホット100の1位を19週獲得し、歴代記録を樹立したが、5年後にシャブージーも自身のカントリーヒット曲「A Bar Song (Tipsy)」で同記録に並んだ。
キャリーは20週目の1位を獲得すれば、単独記録保持者となる可能性がある。2024年のホリデーシーズンには、「恋人たちのクリスマス」はホット100で4週連続で1位を獲得した。
意外な事実
「恋人たちのクリスマス」がリル・ナズ・Xとシャブージーのホット100首位獲得週数記録を破れば、キャリーは20年以上前に保持していた記録を取り戻すことになる。彼女の楽曲「One Sweet Day」（ボーイズIIメンとのコラボレーション）は、1995年から1996年にかけてホット100で16週間1位を獲得し、当時はチャート首位の最長記録だった。この記録は21年間単独で保持されていたが、ルイス・フォンシ、ダディー・ヤンキー、ジャスティン・ビーバーが「Despacito」で2017年に16週1位を獲得して並び、2019年に「Old Town Road」が記録を更新するまで続いた。
なぜ「恋人たちのクリスマス」は毎年1位になるのか？
「恋人たちのクリスマス」は2019年以降、毎年のホリデーシーズンにビルボード・ホット100で1位を獲得しているが、これはビルボードのチャートルールの様々な変更の結果である。この曲は、フィジカルシングルとしてリリースされていない楽曲はチャート入りできないというビルボードの長年のルールにより、リリースから6年後の2000年までホット100に初登場しなかった。このルールは1998年に撤廃され、キャリーのクリスマスヒットは2000年1月8日付のホット100チャートで、83位にランクインした。
また、ホット100から一度落ちた曲の再登場を禁じていた別のチャートルールがビルボードによって2012年に撤廃されたことで、「恋人たちのクリスマス」は毎年ホット100に再登場するようになった。さらに、ビルボードが2018年にチャート算出方法を改訂し、ラジオ放送やセールスよりもストリーミングを重視するようになったことも、毎年ストリーミングヒットとなるこの曲に有利に働いた。2023年、ビルボードは、クリスマスプレイリストの人気を挙げながら、12月にホリデーソングがホット100を席巻する理由としてストリーミングにおけるクリスマス音楽の優位性を挙げている。
