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2025.11.26 12:30

アルファベットが続伸、セルゲイ・ブリンがラリー・エリソンを抜き世界3位の富豪に

Axelle/Bauer-Griffin/FilmMagic

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米国時間11月25日、グーグル共同創業者のセルゲイ・ブリンがオラクルのラリー・エリソンを抜き、世界で3番目に裕福な人物となった。これは同じくグーグル共同創業者のラリー・ペイジに次ぐ順位だ。AI事業への楽観論に後押しされ、グーグルの親会社であるアルファベットの株価が数週間にわたって上昇していることが背景にある。

25日の取引開始直後、アルファベットの株価は2.2%高の325ドル75セントに達した。これは前日の6.3%高という急騰に続く動きであり、8月につけた188ドルの安値からは75%超の上昇となる。

一方、オラクルの株価は4.6%安の191ドルとなり、直近1週間で11%安となっていたその下落幅をさらに拡大した。

ザ・インフォメーションによると、最近のアルファベット株の上昇は、メタが自社のデータセンターとクラウド基盤向けにグーグル製AIチップの使用を検討しているとの報道がきっかけだとされる。この動きはエヌビディア製チップの牙城に挑むものだ。

メタもグーグルも、フォーブスからのコメント要請にすぐには応じなかった。

ブリンの推定資産額は2453億ドル(約38兆円。1ドル=155円換算)で、エリソンの2397億ドル(約37.2兆円)をわずかに上回り、世界で3番目の富豪となった。24日にエリソンを抜いたペイジは、推定資産2644億ドル(約41兆円)で2位に付けている。過去2営業日におけるペイジとブリンの資産増分はそれぞれ183億ドル(約2.8兆円)、169億ドル(約2.6兆円)であり、世界の富豪ランキングにおける2人の順位を押し上げた。

ブリンはペイジに比べてアルファベットのクラスB株の保有が少ない。これは主にブリンが持ち株の売却をより積極的に行ってきたこと、そしてパーキンソン病研究のために、過去複数回にわたりアルファベット株とテスラ株を数百万株規模で寄付してきたことによる。

今後の注目は、アルファベットの時価総額はアップルを超えるかどうかだ。時価総額ランキングでは、アップル(約4兆1000億ドル[約635.5兆円])はエヌビディア(4兆4000億ドル[約682兆円])に次ぐ2位となっている。一方アルファベットは米国記事執筆現在、4兆ドル(約620兆円)弱と評価されている。アルファベットの株価が331ドル40セントを超えれば、時価総額は4兆ドルを上回り、アップル、マイクロソフト、エヌビディアに続き史上4社目の4兆ドル到達企業となる。

アルファベットの数カ月にわたる急騰は、AIを巡る熱狂がテック株を過度に押し上げているとの懸念が高まる中で起きた。アルファベットの評価が高まった一因には、ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイが同社株を50億ドル(約7750億円)近く取得したことがある。アップルへの投資を例外として、バークシャーがテック企業へ大型の投資を行うことはまれである。

またアルファベットは先日、新たなAIモデル「Gemini 3」を発表し、OpenAIのサム・アルトマンとxAIのイーロン・マスクから称賛を受けた。アルファベット株の上昇は、オラクル株の下落とタイミングが重なっている。オラクルのAI関連事業への疑問を背景に、より多くの投資家がオラクルに対して売りを仕掛けていると報じられている。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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