生物学的な観点から見れば、この写真に捉えられているような遊び行動は、ゴリラが生き抜いていくために不可欠だ。霊長類にとって、互いにじゃれあう行為は、人間の子どもと同様に、社会的スキルや集団内の順位、感情調節を学ぶ手段となる。
学術誌『Genome Research』に発表された研究が指摘するように、ゴリラは人間とDNAの98%を共有している。その意味では、ゴリラの行動が我々と類似していても、さほど驚くことではない。
とはいえ、この2頭の姿には思わず笑みがこぼれる。世界有数の生物多様性を誇る森林の奥深くでさえ、笑いは共通言語であるということを、彼らは思い出させてくれる。
2. ワオキツネザル(マダガスカル)
このワオキツネザル(学名:Lemur catta Linnaeus)が自らの尾をかじる姿は、紛れもなく貴重な瞬間に感じられる。しかしこれは、動物学者がこれまでに観察した、ワオキツネザルの尾に関連する行動のなかで、最も興味深いものとまでとは言いがたい。
2017年に学術誌『American Journal of Primatology』に発表された研究が説明するように、ワオキツネザルは、「匂いを使った求愛行動」でも知られている。ちょっとばかげているように感じるかもしれないが、これは、オスのワオキツネザルが、臭腺から出る分泌物を尾にこすりつけた後、メスに向かって振りかざして自分を印象づけようとする行為だ。だが、人間の女性の場合と同じく、このような行動は往々にしてオスへの攻撃を招く。


