Forbes JAPANでは、女性活躍推進法が施行された2016年から「WOMEN AWARD」を開催してきた。2025年は、1665社を対象としてランキングを作成した。企業総合ランキングで4位、非上場企業のなかではトップに輝いたのが、女性が9割を占める歯科衛生士業界の変革に挑むボーテだ。全国から研修のオファーが絶えない同社の女性人材育成に迫る。
「働く女性たちを幸せにしたい」。柏野紗耶加が2014年に創業したボーテは、歯科衛生士を主役に据えた事業を展開し、業界全体の変革に取り組んでいる。
厚生労働省によると歯科衛生士は免許登録者数のうち就業者の割合が46.2%(2022年、衛生行政報告例、歯科医療振興財団調べ)と、半数以上が未就業。その要因として、免許登録者の9割が女性で、結婚や子育てのタイミングで離職するケースも多い現状がある。また医師の補助的役割が多く、スキルアップも給与も30代半ばで頭打ちになってしまうことも離職の一因だ。こうした負のスパイラルにメスを入れているのが、歯科衛生士として8年勤務した経験をもつ柏野だ。
同社は歯科衛生士のキャリアを生かせるホワイトニングやデンタルエステ事業を全国で6店舗展開。加えて自社の店舗で培ったノウハウをもとに全国の歯科医院などを対象に年間600件の研修を行い、歯科衛生士を中心とした女性の自立とキャリア支援を行っている。特に注力しているのが後者の研修事業で、導入医院の医師たちが「スタッフのポテンシャルが引き出された」「3カ月で240万円の業績向上につながった」などと口コミで広げ、半年先まで予約が埋まるほどの人気に。創業から業績は右肩上がりで、24年度の売り上げは5億3000万円に達した。
今回のランキングにおいて、同社が特に高スコアをつけた指標は、「人的資本開発」と「労働環境」だった。「人的資本開発」の評価ポイントは、事業を通して「現場知×教育」の循環を生み出している点。例えば同社の研修事業では、ホワイトニングやクリーニングといったスキル研修に加えて、医院内のチームビルディングを目的とした勉強会も提供している。選択理論心理学をベースにして歯科衛生士たちを育成するオリジナルカリキュラムだ。柏野が「自分たちがしていないことは教えられない」と話す通り、自社店舗での現場知を取り入れている。
もうひとつ高スコアだった「労働環境」は、40人の従業員のうち約4分の3が女性という女性中心の職場がゆえに、柔軟な勤務や成長機会の設計が定着している点が評価された。



