毎年開催される「Diversity Month」は、同社の文化の象徴でもある。今年はソニーグループ株式会社社長CEOの十時裕樹が、イベントのテーマである『共につながり、創り、成長する』に寄せたメッセージを発信。また、特別講演会では、元社長兼CEOの平井一夫(現在は一般社団法人プロジェクト希望の代表理事)も登壇し「ひとりの人間としてリスペクトされる“正しい人間”であることが重要。EQ(心の知能指数)を高め、周囲との良質な対話ができる関係性構築を」と語りかけた。この講演は述べ1万人の社員が視聴し、アンケート調査では満足度100%を記録した。
感情を認め合い、違いを受け入れる姿勢こそが、同社の新しい成長を支える。歴代CEOが、言葉は違えど多様性を重視するメッセージを発し続けてきたことが、カルチャーをかたちづくっている。「これからは個に寄り添う時代。女性というくくりではなく、一人ひとりをどう支えるかが問われている」(堀田)
同社が次に見据えるのは「Diversity 2.0」、個別最適化の段階だ。基盤となるのは「対話」と「EQ」。だが、個に寄り添えば、効率は下がる。
2024年、同社は「東京プライド」に参加した。寺田も代々木公園を歩き、普段マジョリティにいる自分が一気にマイノリティになる体験をした。こうした疑似体験が、他者理解に重要だと感じている。「個に寄り添うのは、効率を下げることでもあります。ただ、その非効率のなかにこそ本当の多様性がある」(寺田)
多様な石がかみ合って築かれた城は、時に非効率で、手間がかかる。だが、その重なりこそが強さを生む──井深大の言葉は、今も同社の根底に息づいている。
ソニーグループ株式会社◎1946年、東京・日本橋で創業。ゲーム、音楽、映画、エンタテインメント・テクノロジー&サービス、半導体などの事業を展開するグローバル企業は、社員は約11万人。創業以来、多様性はソニーのDNAであり、制度と文化の両面からダイバーシティを推進している。


