11月25日発売のForbes JAPAN2026年1月号の特集「日本の起業家ランキング2026」で10位に輝いたのは、Luupの岡井大輝だ。電動マイクロモビリティシェアリングサービス「LUUP」が急成長を遂げるなか、岡井は未来への「仕込み」にそれ以上の手応えを感じている。
2025年8月、Luupは三輪・座り乗りの新型ユニバーサルモビリティ「Unimo(ユニモ)」を発表した。大阪・関西万博でのお披露目では、想定以上の好反応が得られた。「お孫さんを連れたお年寄りなど、当社サービスをそれほどご存じではないであろう方々が、猛暑のなかで足を止めて、30分間のプレゼンを真剣に聞いてくれたんです。『これなら乗りたい』という声がほとんどで、自分たちの方向性は間違っていないとメンバー全員が確信をもてたのは大きな意義がありました」。創業者・代表取締役CEOである岡井大輝の偽らざる実感だ。
Luupの電動マイクロモビリティシェアリングサービス「LUUP」は、ポート数が全国で1万5,000カ所を超え、この1年半で2倍以上に拡大した。特に東京都23区では約8000カ所という規模になっており、これはコンビニエンスストア店舗数の2倍に相当する。それでもUnimoの発表に代表される未来への「仕込み」には、こうした成果以上の手応えを感じているという。
Unimoは、トヨタグループのアイシンを技術パートナー、GKデザイングループのGKダイナミックスをデザインパートナーとして3社で共同開発した特定小型原付(歩道は時速6km、車道は時速20kmで通行可能)規格のモビリティだ。16歳以上であれば、世代や性別を問わず誰でも利用できる、身体的負担が少ない乗り物を目指した。車速とハンドル角に応じて車体の傾斜角を自動制御する「リーンアシスト制御」で、コーナリング時に車体傾斜の引き起こしをアシストし、倒れずに走行を続けられるようになっている。
岡井は「Unimoのようなモビリティを社会実装できた事例は世界を探してもありません」と言い、それを打破できる現実的な見通しをもっているという。先進国トップクラスの高齢化、車社会の欧米とは違う鉄道社会であるがゆえの歩行ニーズや自転車ニーズの高さ、そして世界的な二輪・四輪メーカーのビジネスエコシステムの存在という3つの要素が重なっている日本は、ユニバーサルモビリティの開発・実装に適した環境だ。



