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2025.11.29 17:00

「人生を変える」3つの効果的習慣──脱・ネガティブ思考の黄金ループを回す方法

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2. ジャーナリング

自分の思考や感情を書き出すジャーナリングは、文字を通して自分自身や経験を探求する行為だ。1日数分ジャーナリングするだけでも自己認識を高め、一種の「自己療法」を行うのに効果的だ。

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12週間のポジティブ・アフェクト・ジャーナリングの効果を追跡したランダム化比較試験では、ジャーナリングによって不安とうつ症状が軽減することが確認された。加えて、ジャーナリングは標準的なケアと比較して、回復力と社会に受け入れられているという感覚の向上ももたらした。

研究は、感情や思考を書き出すことはストレスに対処し、定期的に振り返ることで気分が良くなるという、自己管理による感情調節メカニズムとして役立つという仮説を一層信用できるものにしている。

練習としてのジャーナリングは、目的に応じてさまざまな形や形態がある。人気のある方法としては、気分のジャーナリング、目標のジャーナリング、感謝のジャーナリング、さらには心配のジャーナリング(ネガティブな思考パターンを断ち切るために使われる)などがある。どの方法を選んでもジャーナリングは自分の生活パターンをモニターし、思考を明確にし、感情を振り返ることで、感情をうまくコントロールできるようになる。

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ジャーナリングがこれほど影響力の大きな活動であるのは、自己認識をもたらすからだ。内省と自己観察を通じて、人は自分が持つ潜在的な偏見を特定し、過去の過ちを解剖し、高められた自分を想像することができる。

ジャーナリングでは自分の心理を知ることができるだけでなく、次のような効果もある。

・不安やうつの症状を最小限に抑える
・問題解決能力を高める
・セルフコンパッションを増大させる
・意思決定のスキルを向上させる

特に効果的なジャーナリングテクニックの1つが、寝る前の「ブレインダンプ」だ。これは 心の雑念を取り除き、睡眠を改善するために、頭の中にあることをすべて書き出す行為のことだ。もう1つは、未来の自分に宛てた手紙をしたためることだ。5年後の自分に向けて、今の自分にとって何が大切か、5年後にはどうなっていたいかを説明する。

3. マインドフルネス・瞑想

集中し、自分の感情をコントロールする能力は、注意が散漫になりがちな現代社会においてはある意味スーパーパワーといえる。体を動かしながらの瞑想や呼吸法、あるいは今この瞬間に意識を向ける練習は、ストレスを管理し、感情を調節するのに役立つ。

マインドフルネス・瞑想を毎日5~10分ほど練習することから始め、長期間続けることで顕著な効果が現れる。マインドフルネスのテクニックは人生のポジティブな要素に気づき、自動的に陥っているネガティブ思考を減らし、重要な事柄に注意を向け直すのに役立つからだ。

マインドフルネスの習慣は本質的に、刺激があったときにすぐさま反応しないようにする。そして刺激があってから反応するまでの「間」は、ストレス要因や対立に対して自動的に反応するのではなく、自発的に反応することを学ぶ時間だ。この小さな変化はやがて人間関係やキャリア、メンタルヘルスをいい方向へと誘導する力を持っている。

専門誌『Health Psychology Review』に掲載された9538人を対象とした大規模なレビューでは、マインドフルネスに基づく介入が脳機能にどのような影響を与えるかを調べている。研究の結果、マインドフルネスは全体的な認知能力に軽度から中等度の改善をもたらすことがわかった。また、注意力やワーキングメモリー、抑制、タスクの切り替え、集中力の持続など他の重要なスキルも向上した。これらの効果は精神衛生上の問題や病気を抱えている人で大きかった。

次ページ > 3つの習慣の複合効果

翻訳=溝口慈子

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