AI

2025.11.25 14:00

アマゾンが米国政府向けAIインフラに約7.8兆円の投資を発表、今年のAI関連投資ランキングも

Kevin Carter/Getty Images

AI投資は「相互出資と相互契約が重なり合う構造」を形成

2019年7月にマイクロソフトがOpenAIへ10億ドル(約1560億円)を出資して以来、AI企業の多くは互いに複雑に絡み合った構造を形成している。

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このパートナーシップは2023年1月に拡大し、マイクロソフトの投資額はおよそ140億ドル(約2.2兆円)へ膨らんだ。これにより、マイクロソフトはOpenAIに対して独占的にクラウドコンピューティング能力を提供する企業となった。

アマゾンは2023年9月にアンソロピックへ最大40億ドル(約6240億円)を投資し、その後2024年11月に追加で40億ドル(約6240億円)を投じた。そのアンソロピックへは、グーグルが2023年10月に20億ドル(約3100億円)を、さらに今年初めには10億ドル(約1560億円)を出資している。

ソフトバンクは、今年実施されたOpenAIの400億ドル(約6.2兆円)規模の資金調達ラウンドに参加した主要投資家のひとつであり、8月にはエヌビディアへも20億ドル(約3120億円)を投資した。そのエヌビディアは翌月、インテルへ50億ドル(約7800億円)、OpenAIへ1000億ドル(約15.6兆円)の出資を行った。

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複数のエコノミストは、AI企業間の投資網が1990年代後半のドットコムバブル期の構造に似ていると警告している。企業同士が資金を循環させることで、市場を過度に膨張させている可能性があるためだ。

コアウィーブの時価総額は、2024年3月の新規株式公開以降、670億ドル(約10.5兆円)近くへ急増し、株価は過去6カ月で221%上昇した。同社は複数のAI関連パートナーシップの中核に組み込まれている。

一方で、AI分野の多くの投資が依然として収益を生んでいないとの指摘もある。マサチューセッツ工科大学の研究では、調査対象となった300件、総額4000億ドル(約62.4兆円)のAI開発プロジェクトの95%が利益を生んでいないことが示された。

AIバブルは存在するのか?

複数の経済学者は、AI分野への資金流入が世界市場に混乱をもたらす可能性があると警告しており、なかには現在の市場環境が2000年のドットコム崩壊に類似していると指摘する者もいる。

バンク・オブ・アメリカが11月に発表した調査結果では、投資家の約54%がAIバブルであると考えていることが示された。これは、AI関連株が過度な期待によって割高になり、崩落リスクを抱えているという懸念を反映している。

シンガポール政府系ファンドGICの最高投資責任者を務めるブライアン・ヨーは、AIスタートアップが記録的な資金を集めていると述べ、企業名に「AI」と付くだけで極端に過大評価されていると指摘した。

フォーブスはOpenAIのChatGPT、xAIのGrok、Perplexity、Microsoft Copilot、Meta AI、Geminiなど複数のAIチャットボットに「AIバブルは存在するか?」と質問した。その結果、以下のような回答が得られた。

・GrokとChatGPT:バブルの存在を示唆
・PerplexityとCopilot:「バブルが形成されつつある」と回答
・Meta AIとGemini:「バブルかどうかは議論の余地がある」と回答

多くのチャットボットは「投資家の熱狂が持続不可能」である可能性を指摘した一方で、技術そのものやAI製品の品質に問題があるわけではないとしている。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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