2025.11.27 11:30

Googleトレンドの分析で明らかに 世界のテーマパークの「本当の人気度」

マジック・キングダムのシンデレラ城(meunierd / Shutterstock.com)

マジック・キングダムのシンデレラ城(meunierd / Shutterstock.com)

世界屈指のテーマパークの人気ぶりがわかる新データが、初めて公開された。このデータからは、イベント開催や新アトラクションのオープンが、ファンの心をしっかりとつかんだことが読み取れる。

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テーマパーク業界は、非日常的な空間やかわいらしいキャラクターで知られる一方で、極めて熾烈な競争が繰り広げられるビジネスでもある。

この業界では、世界最大級の映画スタジオや政府系ファンドが数百億ドル単位の莫大な資金を投じ、観光客の獲得を見込んでアトラクションやリゾートの開発に取り組んでいる。

テーマパークの入場者数と収益からは、運営会社の成功の度合いを推し量ることができる。しかし、前者はたいてい推定値であり、後者は通常、パークごとの内訳は公開されない。加えて、いずれも公開されるまでに数カ月のタイムラグがあるため、業界ウォッチャーは運営会社の好不調について、結果が明らかになるまで、推測する手段がほとんどなかった──今までは。

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あるテーマパークが来場者を魅了しているかどうかを判断する上で、最も強力な証拠となるのが、オンライン検索だ。もちろん、大勢の人々がパークについて調べたからといって、全員が来園するわけではないし、検索結果が好ましいものばかりとも限らない。それでも、検索数が少ないパークは、入場者の獲得に苦労していると考えて差し支えないだろう。

同じように、検索数の減少は、そのパークの人気低下、あるいは、以前ほど真っ先に人々の脳裏に浮かぶ場所ではなくなっていることを示していると考えられる。逆に、パーク検索数の急増は、より多くの人々の注目を浴びるようになったことを意味する。これは、より多くの自発的検索の対象となっていることを(すなわち、パークを訪れたいと思う人が増えていることを)示す場合もあるが、パークのオンラインプレゼンスの向上や、新しいマーケティングキャンペーンの成功、SEO(検索エンジン最適化)の改善といった取り組みの成果かもしれない。それどころか、パークで望ましくない事態が発生し、それが広く拡散されて注目の的となり、結果的に入場者が増えることさえある。よく言われるように、何のニュースもないことこそが、最悪の知らせなのだ。

全世界の検索クエリの総量を追跡調査する、驚くほど簡単な方法がある。市場シェアの90%を占め、2024年の1年間で5兆件以上の検索を処理したGoogleのデータを利用するのだ。同社のサービスの一つである「Googleトレンド」は、上位クエリの人気を分析するものだが、特定の単語の検索数そのものではない。検索クエリの総量の経時的変化を、最小時点を0、最大時点を100として、検索数の絶対値ではなく相対的な関心の変化として示すものだ。

Googleトレンドの結果は、グラフとして表現される。それぞれの時点でのスコアは相対値であり、例えばスコアが50の場合、その時点での検索数が、スコアが100の時点の半分であったことを意味する。100は検索ワードの人気のピークを示し、0は期間中で検索クエリが最少だった時点を示す。スコアが0だからといって、その日にその単語を検索した人がゼロだったとは限らない(本当にそうかもしれないが)。検索クエリの総量を記録するのに十分なデータがない場合にも、スコアは0になる。

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翻訳=的場知之/ガリレオ

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