政治の大きな変化、景気後退、業界の混乱など、外部要因によってキャリアの土台そのものを揺さぶられた人が、無力感や迷いを抱くのは自然なことだ。これまでの歩み、価値観、決断、さらには将来まで疑いたくなるかもしれない。
これまでも数々のプロフェッショナルが、キャリアの序盤、中盤、あるいは終盤において、こうした不安の時期を経験してきた。外部の環境は自分でコントロールできない。しかし、激動の時代であろうと、マインドセットや反応、意識的な行動を自分で形づくり、状況を打破できることが、研究や実際の経験からわかっている。
以下に示す7つのカギとなる戦略は、キャリアが激変する時期に、明瞭な思考を取り戻し、レジリエンスを強化し、前向きな勢いを新たに生み出すための枠組みを提供する。
1. 感情を認め、処理する
キャリアの激変は、精神にかかる負担が大きく、恐怖から逃れられないことも多い。積み上げてきた仕事が脅かされるとき、恐れ、不満、後悔、喪失の感情を覚えるのは人として自然なことであり、そうした感情は多くの人に共有されている。
こうした感情は、押し殺して平気なふりをするのではなく、認めて処理する方がいい。考えや感情を書き出して整理する「ジャーナリング」をしてみたり、信頼できる仲間と率直に話し合ったり、新たなメンターを探したり、プロのサポートネットワークを活用したりと、さまざまな手法を駆使することで、孤独に抱え込むよりもずっと生産的かつ効果的に、感情の混乱を切り抜けることができる。
このような時期には、セルフコンパッション、すなわち自己への思いやりも欠かせない。「苦しんでいる=失敗」ではないのだ。実際に、研究によると、レジリエンスという概念には、逆境から「元に戻る」ことだけでなく、柔軟な思考と行動による適応と成長も含まれている。まずは自分の感情を認め、しっかり経験することが、激変を乗り越える基盤となる。
2. 困難をチャンスとして捉え直す
逆境を捉え直すこと、つまり、困難を成長のための(しばしば不可欠な)好機と見ることで、レジリエンスとメンタルの健全性が大きく高まることがわかっている。ポジティブな捉え直しによって適応力が高まり、挫折への効果的な対応につながることが、研究で確認されている。困難を成長への入り口と捉えて、数カ月先、数年先の成長の姿を探り続けることで、適応力が拡大し、ひいてはより強固な心の健康にもつながる。
精神的な恩恵だけではない。捉え直しによって、事実と現実に基づきながら、「大失敗した。もう完全に終わりだ」というような、よりネガティブな解釈よりも力を得られるやり方で、状況を解釈することが可能になる。
「成長、希望、可能性」へと視線を向け直すことで、これまで考えもしなかったが、より自分に合った道への扉を開くことができる。そうした道は、人生のこの瞬間に、最も大切にしたいものに適しているものでもあるだろう。
こうした変化は、自己の成長を促すだけではなく、長期的なキャリアに影響して、成功や充実につながる可能性がある。
捉え直しを実践するための問い
・自分のスキルと能力の本当の価値や新たな使い道について、この状況だからこそ見えてきたこととは何か?
・この困難から生じる新しいチャンスとは?
・これまで見落としてきたかもしれない、自分に合ったキャリアとは?
・今から視野を広げ、さらなる可能性を見いだすには、どんな人と関係を結べばいいのか?
喪失ではなく可能性に目を向けることで、考えたことのない、見えていなかったルートが目の前に見つかることが多い。



