キャリア

2025.11.25 10:00

変化の時代に、自分の価値と影響力を示すための「3ステップ」

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パンデミックが私たちの仕事と私生活のほぼすべてを混乱させて以来、プロフェッショナルが求めるものは大きく変化してきた。筆者は、キャリアとリーダーシップのコーチとして毎週のように、成長や方向転換、仕事の再構築を望む人々から相談を受けている。しかし最近では、相談内容に新たなトーンが加わっている──プラスの影響をもたらし、その影響力と価値を継続的に示したいという決意に、より強い切迫感と明確さが加わったのだ。

現在、筆者が受けている質問は、出世や安定を求めるだけのものではない。仕事や組織文化において、より深い意義やプラスの影響力、そして一体感を見いだしたいという願いが込められている。

中堅から上級管理職の多くは、キャリアの長期的目標や充実感を強化するため、存在感を高めたいと考えている。それは、昇進のためだけではない。これらのプロフェッショナルは、唯一無二で、極めて価値ある自分の仕事を認めてほしいと願っている。そして、自身の成功を追い求めながら、他者の成長を助ける貢献者としての評判を確立したいと願っている。

こうしたプロフェッショナルは、以下のような発言をしている

・ずっと働きづめで過小評価されてきた。今こそ、自分はどのような価値をもたらし、それがこの会社にとってなぜ重要なのかを示すときだ

・自分の仕事と役割に、もっと自信を持って取り組む準備はできている。自分の役割は、知識を共有し、その過程で他者を助けることだ

・自分の考えは、会社の価値観や方向性と一致していない。しかし、まだこの仕事を諦めるつもりはない。自分がどのような変化をもたらせるのかを確かめてみたい

・私のチームは今、多くの不確実性と恐怖に直面している。私は彼らのそばにいて、より良い道筋を示す手助けをしたい

これらは、個々の不満ではない──集合的な目覚めの兆候だ。あらゆる分野のプロフェッショナルが、「成功」の真の意味と自らの貢献について再考している。そしてそれは、ハイブリッドな勤務形態、経済的不確実性、生成AI、変化するリーダーシップへの期待という状況の中で行われている。

しかし、こうした変化のさなかでも1つだけ変わらない真実がある。それは、自分独自の価値と影響力を、組織の発展に貢献する形で明確に示せる者こそが、際立つ存在になるという真実だ。

筆者は、20年近くにわたって数千人のプロフェッショナルを指導する中で、人々が自分の強みを生かし始めるには、危機的状況、あるいは、少なくとも強い目覚めのきっかけが必要だと気付いた。しかし、必ずしもそうである必要はない。我々は現在を「流動性の中の仕事」という形で再定義が行われている時ととらえることができる。そしてこうした時代を、自分の存在意義と、発揮している影響力を再編成するチャンスととらえることができる。

世界経済フォーラムのヤング・グローバル・リーダーや、「フォーブスが選ぶ女性フューチャリスト50人」に選ばれ、そして、『Flux: 8 Superpowers for Thriving in Constant Change(フラックス:絶えず変化する世界で力強く生きるための8つのスーパーパワー:未邦訳)』の著者として有名なエイプリル・リンネは最近、筆者との会話で次のように述べていた。

「変化、不確実性、未知の要素、流動性は増している。そして世界では、年月とともに流動性は減るどころか、ますます増していく」

以下では、自分の価値を明確化して伝える方法、リーダーとしての存在感を高める方法、そして、変化する仕事の世界で意味ある違いを生み出す方法をお伝えしよう。

次ページ > 1. 自分の核を成す才能と強みを再認識して活用する──今それがなぜ重要なのか

翻訳=米井香織/ガリレオ

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