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2025.11.25 10:30

AIバブルはそれほど「深刻でない」理由、いやそもそも存在しない

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AIバブル議論で欠けている視点:エネルギー

何十年もの間、テクノロジーに関する議論はユーザーインターフェース、すなわち人間と機械との接点を中心に行われてきた。ピーター・ディアマンディスのような思想家たちは、インターフェースが直感的になるほど進歩は加速すると強調してきた。タッチスクリーン、音声アシスタント、空間インターフェース、ニューラルリンクは技術採用の玄関口として語られた。

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しかし、より深い真実は、計算能力そのものがエネルギーのユーザーインターフェースだということだ。

歴史上の偉大な技術的ブレークスルーは、人類がエネルギーと接続する方法に関するブレークスルーだった。火は最初のインターフェースであり、制御された燃焼だった。機械工具は力を形づくった。電気は人間の知覚とコミュニケーションを大陸規模に拡張した。マイクロチップはエネルギーを論理へと圧縮した。インターネットはその論理を世界に分散した。

ディアマンディスは目に見えるレイヤーについて記述した。より深いインターフェースは基盤そのもの、すなわちエネルギーが知性へと配置される方法なのである。

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エネルギーの利用方法が変わるたびに、人類は能力の新しいレイヤーを獲得した。電化はラジオを可能にし、人類の認識を拡張した。半導体は計算を可能にし、社会を再組織した。現在、大規模な計算能力が予測的な知性を可能にしている。

これらの変化は、表面的なインターフェースで起こったものでは決してない。基盤となるエネルギーについてのものだったのだ。そのために、「AIバブル」というフレームは崩壊する。AIは火から始まった系譜の次のインターフェースだ。知性がエネルギーの表現なのであれば、その経済は短期の投機的スパイクではなく、長期的な熱力学的上昇に近くなる。

私たちが目撃しているのはAIの台頭ではない。新たなエネルギー形をまとった知性の台頭だ。そこにはバブルの面影はない。むしろ、過去に起きた文明構造の変化に似ているのだ。

これはAIバブルではない、エネルギー革命だ

エネルギーと知性は常に結びついてきた。火は最初のアルゴリズムであり、蓄えられたエネルギーを制御しながら解放することは、人類の可能性を変えた。電気は人間の能力を大陸規模に拡張した。文明とは、エネルギーに意味を持たせてきた物語なのだ。

これは個人的な話でもある。数年前、私はソーラーランタンのLuciを発明し、信頼できる電力を持たないコミュニティに光を届けようとした。それは光子を民主化し、太陽光を機会へと変換する試みだった。アフリカで子どもたちがLuciを手に取り、光を見つめて驚いた。光が認知となり、エネルギーが希望となった。

今日のAIは可能性を照らすのではない。認知を産業規模でシミュレートするものだ。私たちは「考えることについて考える」機械を作り、その労力に課金している。結果として生じているのは、金融的なインフレだけでなく、熱力学的なインフレだ。

エネルギーが比例した価値を生み出さなくなると、バブルが形成される。そのバブルが崩壊すると、電力網、サプライチェーン、環境、公共の信頼など、エネルギー供給システム全体に負荷を与える。

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翻訳=江津拓哉

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