AI

2025.11.25 10:30

AIバブルはそれほど「深刻でない」理由、いやそもそも存在しない

Shutterstock.com

AIバブルの投機ループ

資本はAIエコシステムの中を自己強化的なループで循環する。OpenAIはモデルを訓練するためにエヌビディアからチップを購入する。これらの購入はエヌビディアの収益とバリュエーションを押し上げる。エヌビディアは自社チップを必要とするスタートアップに投資する。マイクロソフトはOpenAIに資金を提供し、そのワークロードをホストする。お金は循環し、指数関数的な成長への期待を膨らませる。

advertisement

ドットコム時代には、企業は広告在庫を取引した。今日、企業は計算能力を取引する。しかし、計算能力は象徴ではない。グローバル規模で消費されるエネルギーだ。訓練にはメガワット単位の電力が必要であり、すべてのモデルは社会を支える同じ電力網から電気を引き出す。

アウトプットは伝統的な製品ではない。それはエネルギーによって形づくられた確率分布だ。私たちは電気を知性に変換しているのである。

反射性、エネルギーそしてAIバブルの幻影

伝統的資本主義では、資本は労働になり、労働は製品になり、製品は価値になり、価値は再投資になる。AIはこのサイクルを反転させる。資本は物語となり、物語はバリュエーションになり、バリュエーションはさらなる資本を引き寄せる。

advertisement

市場は知性が何をするかを価格に織り込んでいるのではない。知性が何になり得るかを織り込んでいるのだ。

ジョージ・ソロスはこれを反射性と呼んだ。AIは反射性を物理学に変える。投機の単位はもはや注意や不動産ではなく、計算能力だ。より正確には、それを駆動する電子だ。

この変革はすべて、電子に関するものであるとサム・アルトマンは明確に述べている。モデルは構造化された電気であり、知性は熱力学的プロセスになりつつある。

次ページ > AIバブル議論で欠けている視点:エネルギー

翻訳=江津拓哉

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事