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2025.11.25 15:00

迷子ペット探す無料AIツール、画像認識技術で17万匹超を家族の元へ

AI画像認識技術を活用した迷子ペット捜索プラットフォーム「Petco Love Lost」を通じて飼い主と再会できた猫のルイ。YouTube公開動画より(Petco Love)

AI画像認識技術を活用した迷子ペット捜索プラットフォーム「Petco Love Lost」を通じて飼い主と再会できた猫のルイ。YouTube公開動画より(Petco Love)

好奇心旺盛な飼い猫がふらりと冒険に出て行方不明になってしまったが、AI(人工知能)テクノロジーと見知らぬ人々の親切のおかげで、11日後に家族と再会できた。これは米ワシントン州で今年5月に起こった実話だ。

85歳のシャロン・ファーズはその朝起きて初めて、飼い猫のルイとサンダンスがいなくなっているのに気づいた。夫と手分けして家じゅう探したが、見つからない。赤茶色の毛並みがふさふさしたジンジャーメインクーンの2匹は、どうやら窓から抜け出す方法を発見したらしかった。2匹ともこれまで外に出したことはなく、「最悪の気分だった」とファーズは当時を振り返る。

ファーズ夫妻は近所を探し回り、数軒離れた家のエアコン室外機の陰にサンダンスが隠れているのを見つけた。しかし、ルイの姿はどこにもなかった。ルイには消化器系の持病があり、さらに夫妻の暮らす集合住宅の近くにはコヨーテが生息する自然保護区があった。ルイと生きて再会することはできないのではないかと夫妻は危惧した。

ワシントン州南西部の動物愛護協会を訪ねてみたが、施設に保護された猫の中にもルイはいなかった。だが、そこで施設のスタッフがルイの写真とプロフィールを迷子ペット探しの全米データベースに掲載することを提案してくれた。これがルイと再会を果たす糸口となった。

AIで迷子ペットを探す「Petco Love Lost」

米非営利団体Petco Love(ペットコー・ラブ)が運営するプラットフォーム「Petco Love Lost(ペットコー・ラブ・ロスト)」は、AI画像認識技術を活用している。行方不明のペットの写真をLove Lostにアップロードすると、全米の動物保護施設に保護されたペットの写真や、地域コミュニティーアプリで共有された「近所で見かけた迷子と思しき動物」の写真と瞬時に比較・照合できる。利用料は無料だ。

ファーズ夫妻はすぐにルイを迷子としてLove Lostに登録する一方、娘たちの協力も仰ぎ、毎日近隣を一軒ずつ訪ねて回っては捜索を続けた。その間、相方を失ったサンダンスは飼い主の気持ちを代弁するかのように悲痛な声で鳴き続けていた。

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翻訳・編集=荻原藤緒

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