2. 「妥協するのはいつも自分である」ことへの憤り
パートナーとの絆が長く続くかどうかを左右する主な要因の1つは柔軟性、つまり2人の関係のために譲歩したり妥協したりすることに対する姿勢だ。問題なのは、一方のパートナーが習慣的に折れるようになると、柔軟性が不平等になる可能性があることだ。相手のスケジュールに合わせる、相手のキャリアのために転居する、家族の一員としての相手の責任を吸収するといった行動は個々には無害に思え、賞賛に値するとさえ思える。だが、集合的に見ればそれらは通常、強力で支配的なストーリーを形成する。
社会的交換理論は、なぜこのような力学が憤りを生むのかを説明するのに役立つ。専門誌『Frontiers in Psychology』に2023年に掲載されたシステマティック・レビューでは、恋愛関係が目に見える現実的な取引に加えて、心理的な取引にも左右されることを明らかにしている。これには知覚された公正さや互恵性、感情のバランスなどのやり取りが含まれる。一方のパートナーが繰り返し犠牲を払う一方で、もう一方が調整することがほぼない場合、たとえ要求する側が意図していなくても、犠牲を払う側は「互恵性の格差」を経験する。
思いやりが互恵的でなく、感謝されることがなければ、やがて引き受ける側の自律性やアイデンティティ、自己価値が奪われていく。研究が本質的に強調しているのは、人間は本能的、そして無意識的に社会的交流の公平性を注意深く見ているということだ。バランスが崩れたと感じた瞬間、満足度は低下する。より具体的に言うと、ここでの憤りは犠牲そのものだけにあるのではなく、犠牲が認識されなかったり、見返りがなかったりしたときの感情的な意味にある。
3. 「成長格差の拡大」による憤り
カップルの一方が(セラピーや感情的な取り組み、意図的な自己啓発を通じて)成長し始める一方で、もう一方が変わらない場合、憤りが表面化することが多い。成長は健全なものだが、それが片方の側だけで起こる場合、最も愛情深い関係であっても成長のミスマッチが生じる可能性がある。
成長したパートナーは、不健全なパターンをよりはっきり認識するようになり、感情をより効果的に調整する方法を知り、おそらく自分のニーズをより微妙なニュアンスで明確に表現できるようになるかもしれない。だがもう一方のパートナーは古い習慣から抜け出せないまま、「なぜこんなに辛いのか」と考え込んでしまうかもしれない。
約4000組の夫婦を対象とした8年にわたる研究では、特に開放性、強調性、神経症の傾向において同じように変化した夫婦は、配偶者のサポートをより強く感じると報告している。しかし、夫婦が異なる風に変わると、支援されているという思いは弱まった。類似性だけでなく、同調性があると関係は穏やかなものになる傾向にあった。
このような非同期的な成長のために一方のパートナーが感情的に成熟し、もう一方は変化がない場合、成長するパートナーは、何とかやっていくためにパートナーがすがる命綱としての責任を重く感じることが多い。逆に、もう一方のパートナーは批判されている、十分でない、取り残されたと感じたりする。この緊張は、どちらが「優れている」あるいは「進化している」かということではなく、それぞれが感情の面をどのように理解し、表現し、乗り越えるかという点でズレが大きくなっているということだ。


